『ワンダーウーマン』についてその魅力を語った、乃木坂46秋元真夏と齋藤飛鳥

 乃木坂46が、米映画『ワンダーウーマン』(8月25日全国公開)の日本公式アンバサダーに任命された。9日にリリースされた18枚目のシングル「逃げ水」のカップリングソング「女は一人じゃ眠れない」が映画のイメージソングとなる。

 映画『ワンダーウーマン』は、米・DCコミックスの人気キャラクターを実写化した映画作品で、女性だけの一族出身で男性を見たこともないプリンセス・ダイアナが、美女戦士ワンダーウーマンとして自身の運命に目覚め、世界の平和を賭けて戦いに挑む姿を描いたアクション・エンタテインメント。ワンダーウーマンを演じるのは米映画『ワイルド・スピード』シリーズなどに出演した、イスラエル出身の女優ガル・ガドット。メガホンをとったのは、米映画『モンスター』(2003年)を手掛けたパティ・ジェンキンス監督。

 25日から公開されたが、ワンダーウーマンとスティーブのラブストーリーが描かれており、女性からの支持が高く大ヒット。ワンダーウーマンのまっすぐで強い姿に、感動した、泣けたという感動の声が上がっている。乃木坂46の秋元真夏(23)と高山一美(23)は、メンバーを代表し米・ロサンゼルスでガドットとジェンキンス監督にインタビューをおこなっている。

 『ワンダーウーマン』は1941年にアメリカン・コミックとして登場、1974年にはドラマ化もされた人気作品。男性が大半を占めるヒーローキャラクターの中ではユニークな存在ながら、長く親しまれている女性キャラクターでもある。今作では女性だけのアマゾン族のプリンセス・ダイアナが、あるきっかけで故郷を離れ、世界を救うために立ち向かう姿が描かれている。

 その意味では、夢見る少女たちがスターダムを目指していく、アイドルという存在は、強く共鳴する部分もあるのではないだろうか。今回はワールドプレミアに出向いた秋元と、メンバーの齋藤飛鳥(19)に映画の感想や、ヒロインが戦う姿が描かれた本作から受けた印象などを語ってもらった。

「美しい」だけではない「強さ」

乃木坂46秋元真夏と齋藤飛鳥

――映画をご覧になって、いかがでしたか?

秋元真夏 この映画は女性のヒーローものの作品で、私たち女性から見ると自分も強くなれたような、勇気をもらえる作品だと思います。アメリカン・コミックスをそれほど見たことがないという方でも、楽しめる要素がたくさんあるし、恋愛模様や人間らしさの部分も組み込まれていて、最後には感動シーンも入っていたり、物語として入り込めて楽しめる作品だと思いました。

齋藤飛鳥 私もそうですね。普段はあまりアクションものの映画は観ないのですが、それでもスッと入り込める感じがしました。迫力あるアクションシーンもたくさんある中で、女性の強さの部分が、男性が見ても嫌みがないというか。ヒロインが本当に素敵な女性で、こうなりたいなと思えるような女性像が描かれていて、すごく観やすかったです。

――ヒーローというと、今日本では男性のヒーローはたくさんいると思いますが、どちらかというと女性、ヒロインを主人公として描いたアクションものは珍しいのではないか、と思います。その女性、ヒロイン像というものを、お二人はどのように捉えられましたか?

秋元真夏 私は昔、アニメ『キューティーハニー』がメチャメチャ好きで、その影響で「クルクル回ったら服がパッと変わって変身できる」と思って、本気でなろうとしてずっとやっていました(笑)。もちろんそんな風にはなれなくて、今はこんな感じなのですが(笑)。

 そんなことを思っていた時に比べると、だんだんと女の子のキャラクターに対する意識は薄れていっていたのですが、この『ワンダーウーマン』を見た後には、そんな以前の思いが戻ってきたような感じがあって。昔からアメリカでは存在していたものが、当時、日本にはっきり伝わらなかったということがもったいないと思ってしまうくらい、この作品はすごく面白い。

 女性に注目しているところがいいと思うし、美しさもあって強さもあるということは、本当に女性の憧れだと思います。男性のヒーローは「カッコいい」がメイン。対して、女性のヒロインは「美しい」だけではなくて、同時に「強さ」があることで共感を得るのではないかという気がしました。

――ではこういうキャラクターは、どんどん出てきてほしい感じですね。

秋元真夏 うん! 出てきて欲しいですね。いろんなタイプが見たい。例えば「ちょっとドジっ子なのに、戦うとなると急にすごく強くなる」みたいな(笑)。豹変する感じのヒロインというのも見てみたいです。

齋藤飛鳥 日本にもありますよね? 女の子のヒロインものというか「プリキュア」や「セーラームーン」。それは、どちらかというと「カワイイ」を前面に打ち出している感じがあります。

 でも今回の『ワンダーウーマン』は強さ、美しさももちろんあるけど、強さが前面にあって、だからこそ成り立っているという感じがします。その上でアクションシーンの美しさも生えているような気がします。

――その意味では新鮮な感じでもありますね。

齋藤飛鳥 そうですね。新鮮だし、割りと日本人も『ワンダーウーマン』みたいな美しい強さというのは、受け入れられやすいと思うし、もっと皆さんに知ってもらいたいと思います。

おすすめシーン

乃木坂46秋元真夏

――お二人の考える映画のオススメのシーンを教えていただけますか?

秋元真夏 いくつかあるのですが、すごくハッとしたシーンは、ワンダーウーマンの恰好をしているヒロインが町に出てきて、服を買って着替えるシーン。彼女が試着室で何度も着替えては出てくる、というところがあるのですが、そこでどの服を着ている時にも「やっぱりこの人、メッチャ綺麗!」ということを改めて思いました。

 ワンダーウーマンの戦闘服はセクシーで格好良いけど、普通の服を着たところを見ないと、基準としてわからないじゃないですか。普通の服に着替えた時に、より美しさを実感したというか…ただ強い人じゃないというところにすごくハッとしました。

――メガネを掛けても、可愛かったですもんね。

秋元真夏 そう! あの「ニコッ!」と笑った笑顔の感じとか。私たち女の人でも「うわ~」とやられちゃいそうな感じもしましたね(笑)。

齋藤飛鳥 私もその着替えるシーンが好きなのですが、気になったのは、ヒロインがこれまで普通の服を着る機会がなかったから、スカートやドレスを着ても「戦えるか?」みたいな感じで、どれだけ足が開けるかみたいなことを、足を開いて確かめているシーンが、すごく可愛いなと思いました(笑)。

――ギャップ萌えですか?

齋藤飛鳥 まさしく。強さや美しさが、ちょっと抜けているシーンなど。いきなり突拍子もないことを言うシーンもあったり。逆にそういう面があるからこそ、強さを見せる部分がはっきり際立って見えたように感じました。だから、そういう力の抜けたシーンがわりと好きで。でもそこはクスクス笑いながら楽しく見られましたね。

――秋元さんはロサンゼルスでおこなわれたワールドプレミアで、ヒロインのダイアナを演じた女優のガル・ガドットさんに実際にお会いされたそうですが、どのような印象を抱かれましたか?

秋元真夏 映画を見て、その直後にお会いしたのですが、映画のイメージが頭に残っていて、強いイメージというか「もしかして怖い人なのかな?」と思っていました。だから、メンバーの高山(一美)と2人で行ったのですが、対面前には2人でメチャメチャ緊張していて「インタビューで尋ねることを、絶対間違えないようにしよう!」と、インタビューの質問を何回も復唱して、練習してからインタビューの部屋に入りました。

 でも、入った瞬間に見たガルさんの表情は、劇中のダイアナとは全く違う表情というか、すごく柔らかい笑顔で、とても優しく接していただいて。

 お子さんもいらっしゃるそうなのですが、本当に母親の表情をされていました。すごく温かく迎えてくださったし、私たちが日本から来たということで、すごく歓迎していただきました。インタビューもいろいろ答えていただいて、写真を撮る時もめちゃくちゃ優しくて、腰に手をまわしてくださったり、本当に暖かい空気を感じましたね。

乃木坂46齋藤飛鳥

――パティ・ジェンキンス監督はいかがでしたか?

秋元真夏 実はジェンキンス監督のことを、実際お会いするまではあまりよく知りませんでした。でも、作品のことをお聞きしようとインタビュールームに入った瞬間、「女優さんなのでは?」という感じの雰囲気で、本当にビックリしました。見た目も綺麗で、この映画に出ていてもおかしくないと思いました。

――インタビューの内容としては、どのようなことを語られていましたか?

秋元真夏 「すごく女性の強さを描きたい」ということをおっしゃっていました。そして、その場で私たちがこの作品に関して「日本のアンバサダーを務めてもらいたい」と言っていただきまして。私たちアイドルが務めさせていただくなんて、すごい大役だし「いいのかな?」と思ったのですが、直接笑顔で「お願いするわ!」と言っていただいたので、頑張ってこの作品を日本に広めなきゃ! という気持ちになりました。

――直接オファーですか? すごいですね。

秋元真夏 本当に。でも皆さん、海外のスターの方は気さくというよりは緊張しちゃう感じの雰囲気の人が多いだろう、というイメージを持っていたのですが、皆さんやっぱりすごく気さくで、すごくイメージも変わりました。

――それは貴重な体験でしたね。齋藤さんからしてみると「なんで私も呼んでくれなかったの!?」という感じで、羨ましくありませんでした?

齋藤飛鳥 いやいや、そんなことないですよ(笑)。でも、生で彼女の美しさを見たかったですね。日本に帰ってきて(真夏が)すごく言うわけですよ。「背中がチョー綺麗だった!」みたいに(笑)。

秋元真夏 そう、本当に背中がヤバかったの! ガルさんはめちゃくちゃスタイルが良かったし、インタビューの時は、ペタンコの靴を履いていたのですが、私たちは革靴でちょっとヒールがあったものを履いていたにもかかわらず「足の位置、おかしいでしょ!」というくらい足が長くて(笑)。当日はセクシーでカッコいい服を着られていたのですが、本当にガルさんじゃないと、この衣装は着られないな、と思えるくらい綺麗でした。

真夏は強い

乃木坂46秋元真夏と齋藤飛鳥

――映画『ワンダーウーマン』は、ある意味「強い女性」をテーマとしているとも観られますが、お二人はご自身を強い女性だと思いますか? それとも弱い女性だと?

秋元真夏 う~ん、そうですね…例えば、この1か月の自分の気持ちを見たら、「強い」「強い」「強い」「弱い」「強い」みたいな感じというか(笑)。たまに弱い部分が入って来てしまうことがあります。そんな気持ちが入ってくるというのは、やっぱり自分は「弱い」のかなと思うことがありますね。

 ただ、その「強い」の始まりたて、「弱い」と思う時が終わった直後の「強い」と思える日というタイミングがあって、この時は「私は無敵だ!」と思っています(笑)。この時は本当に何を言われようが、何が来ようが、全部はねのけられる気分というか。そういうタイミングもあります。

――それはたとえば、ライブの日?

秋元真夏 いや、それは特に何かの日と決まったものではないのですが、何かスイッチを入れた時というか「ここは戦わなければいけないところだ」と思う時、みたいなタイミングですね。例えば、バラエティ番組に一人で出ていく時は、基本的にすごく緊張するのですが、ほぼ戦場での戦いみたいな感じが私の中にはあるので、自分の「強い」の初めのタイミングを持っていきたいと思うし、そこに持っていくように頭の中でシミュレーションしてから、「強い」自分を作り上げていくというか。

 ただ、その作り上げていくという、ことをしていくこと自体が「まだまだ私は弱いのかな」とも思います。完璧になりたいとも思うのですが…

齋藤飛鳥 私は「弱い」と思います。正直言うと、私は今、人に対してあまり興味を持っていない傾向があるし、周りから何か言われてもさっと耳から抜けていくタイプです。でもそれは、自分が弱いから聞かないように、無意識にしているのかな、とたまに思うこともある。

 例えば、いわゆるアンチと呼ばれる存在の人の言うことは気にしていない、あまりそんなところからの意見を耳に入れようとも思わないですし。でもそれは、それを耳に入れた時の自分がどうなるかわからなくて、敢えて耳に入れないようにしているのではないか、とも思う。その意味で自分は「弱い」のではないかと思う時はあります。

乃木坂46秋元真夏

――「強い」「弱い」という意味を改めて考えさせられます。一方で乃木坂46のメンバーの中で「この人は強いな!」というか、引っ張ってくれる人はいますか?「乃木坂46のワンダーウーマン」みたいな(笑)。

秋元真夏 え~!? それはどうでしょう…いろんな面で、いろんな子の飛び抜けている部分はあるのですが、誰だろう…

齋藤飛鳥 私は真夏だと思います!

秋元真夏 えっ! 突然、予想外過ぎだけど…嬉しいね(笑)

齋藤飛鳥 やっぱり一人でバラエティに出たりしている経験もあるし、こういうインタビューの時やコメントを録る時も率先して発言してくれたり、盛り上げてくれたりするし、ライブの時も、彼女はダンスがそんなに上手じゃないのですが(笑)、ポイントでは「ここは気をつけよう」みたいなことをみんなに言ってくれるし、割りと引っ張ってくれる感じかなと。

――絶賛ですね。

齋藤飛鳥 いえ、絶賛はしていないです。「乃木坂46のワンダーウーマン」というと良く言い過ぎ。その称号を与えるのはちょっと癪に障るというか(笑)。

秋元真夏 え~言われたいな…(笑)。

齋藤飛鳥 (笑)。でも強いし、後輩も入ってきているので、後輩が憧れる強さは持っていると思います。

乃木坂46齋藤飛鳥

――『ワンダーウーマン』の劇中では、ヒロインが決意を持って故郷を離れ、前進するというエピソードが描かれています。その意味では、乃木坂46の皆さんにも大いに共感するところがあるのではないかと思うのですが、皆さんは乃木坂46として活躍されている中で、共通する部分を感じたエピソードがありますか?

秋元真夏 最近の話ですが、7月の頭に東京の神宮球場で乃木坂46のライブをやらせて頂きました。そのライブは1期、2期、3期まで乃木坂のメンバーがいて、「期別ライブ」ということで3期から2期、そして1期という順番で披露して、最後に全員が出てくるという構成でした。

 その時に、最初は「期別ライブ」というものがどんな感じになるのか、イメージはフワフワしていたのですが、徐々にそれぞれの期別メンバーごとに「自分たちの期のライブをすごく良くしよう!」という思いが強くなっていったのです。そして、私たちがステージに出る前に思った「1期生、頑張るぞ!」という団結心みたいなものが、今までライブをやってきたものとは、また違ったものだったと思いました。

 「初期からやってきたメンバーで作り上げた乃木坂を見せるぞ」という意気込みもあったと思うし、そこで改めて絆も強くなって見せることができたという意味では、グループとして、また力強く一歩前進できたのではないかなと思っています。

――イメージソング「女は一人じゃ眠れない」についてはいかがですか? MVではワンダーポーズ(腕を前でクロスするヒロインがおこなうポーズ)なども取られていますが、ダンスや歌のイメージなどで、何か劇中のイメージと重なるような印象的などを感じましたか?

秋元真夏 そうですね。MVのダンスシーンは、とある建物の屋上にあった戦地の荒廃した雰囲気のあるところで、みんなで踊って収録しました。ワンダーポーズも入っている振りで踊ったのですが、この曲もカッコいい曲なので、それを踊っている時は気持ちがすごく入りましたね。

 カッコよさと、その中にも強さと女性らしさを意識しながら歌っています。そういうところは『ワンダーウーマン』の描くヒロイン像と重なっていると思います。

【取材=桂 伸也/撮影=冨田味我】

撮り下ろし写真

作品情報

『ワンダーウーマン』
公開中

出演:ガル・ガドット、 クリス・パインほか
監督:パティ・ジェンキンス