『jealkb TOUR 2017 IDENTITY』のファイナル公演

 haderu(田村淳)率いる6人組ヴィジュアル系ロックバンドのjealkb(ジュアルケービー)が7月22日、東京・渋谷WWWXでツアー『jealkb TOUR 2017 IDENTITY』のファイナル公演をおこなった。4月14日の埼玉・西川口Heartsを皮切りに全10カ所11公演をまわる。この日は、19日に発売された通算6枚目のアルバム『IDENTITY』収録曲を中心に披露。アルバムの表題曲でもある「IDENTITY」や、魚のクッションが宙に飛び交う「Reverse Bonito」、アップチューンな「Packya Ma Lad」、「ASTROMEN」」といった騒ぎ踊れるナンバーで盛り上げた。haderuは「いつまでもジュアラーと相思相愛でいたいと思います。ジュアラーありがとう!」とファンに感謝の想いとともに、愛を伝えた。

俺たちの方が会いたかったよ

haderu

 会場にはファイナル公演を一目見ようと大勢のジュアラー(ファンの名称)が集結し、熱気に満ちていた。定刻を過ぎるとjealkbと書かれたバックドロップを背にelsa(Dr)が登場、出だしの流暢なラップが印象的なオープニング曲「& alive」でフロアを煽る。そして、メンバー全員がステージに現れ、勇ましいサウンドと、haderu(Vo)の耳に残るボイスを聴かせながら、「try and error」へと続けた。hideki(Agitator)とhaderuが「空気を入れるよ!」と言うと、空気入れを使った演出を展開。ユーモア溢れる光景にファンの表情は緩んだ。
 
 そして、haderuが「渋谷―!! 回ろうぜ! 円になって!」とフロアを煽ると、ヘドバンやモッシュが巻き起こるハードなナンバーの「Liberty」を展開。更に、燃え上がる炎のような赤いライトの中、タオルを豪快に振り回す「FIREBIRD」、手をクロスさせる「OKK-17」を畳みかけた。曲中、hidekiがフロアに乗り込みジュアラーとハイタッチして触れ合うといった演出を見せた。

 haderuはMCで「渋谷―!! 会いたかった? ばーか。俺たちの方が会いたかったよ」と飴と鞭を使い分けてジュアラーの心を揺さぶる。そのまま「全国をまわり帰ってきました。色んな事がある旅でした。エピソードはないですけど(笑)ようやく東京に帰ってきて、色んなものを背負ってきてます。今日、ここに本当は来たかった地方のジュアラーな気持ちとかを、改めてこの全国ツアーで僕達は背負いこんだなと思っています。アルバムが発売できるのもジュアラーのおかげです。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を送った。

 その流れで「嫌なものは全部置いてけよ。渋谷声出すか!! かかえってこい!」と叫び、ゴマをする一風変わったフリの「虚無感狂想曲」や、髪が乱れる程の激しいヘドバンが巻き起こる「嘆きのエンドレス」、sapoto(Gt)とediee(Gt)の歪みのあるギターサウンドと、重厚なdunch(Ba)の「歪ミイズム」で場内のボルテージを更に上げた。

 haderuは「IDENTITYツアーは、今日で最後になります。この状態がずっと続けばいいなって思ってる。けどそんなことは無理で…。でも、みんながいるから俺たちはライブが出来てる。今回のツアーは、スタッフやファンに凄く感謝するツアーになった」と再びファンやスタッフに感謝を届ける。

 そして、「みんなと一緒に武道館を目指したいそういう想いを込めて作りました」と告げ、切なげなブルーの照明を浴びながら心に響くバラード曲「by your side」をしっとりと感情を込めて歌った。

 表題曲「IDENTITY」では、自分らしく生きる意味を綴った想いを全力で歌い、フロアを左右に分けモッシュでぶつかり合う「System」、「A ray of hope」などといったアップチューンで、後半まで駆け抜けていく。

 「タルトタタン」は前奏だけで終了してしまう異色楽曲。haderu曰く「前奏だけで終わるバンドはいない。こんなドキドキの曲に仕上がりしました。いつかマキシマム ザ ホルモンと対バンしてびっくりさせたい」と展望を語った。

いつまでもジュアラーと相思相愛でいたい

ライブのもよう

 後半では、haderuとhidekiが拳や手をぶつけ合うフリが印象的な「Ranker Killer」、手裏剣を投げつける忍者のようなフリの和テイストロックチューン「天誅☆あるわけないストーリー」、新譜アルバム『IDENTITY』から「Packya Ma Lad」、「ASTROMEN」といったラウドダンスナロックで、盛り上がりは最高潮に。

 終盤のMCでhaderuは12月22日に東京・Zepp DiverCityでワンマンライブをおこなうことに触れ、「お前らの本気見せてみろよ!」とジュアラーをさらに煽る。そして、魚のクッションをフロアに投げつけるという驚愕な光景が広がる「Reverse Bonito」へ突入。ジュアラーもhaderuとhidekiが投げてきた魚のクッションをしっかりと受け止め、ファンも満面の笑みで投げ返した。

 更に続けて、オレンジ色のケミカルライトを振りまくる景色が作られる「Fight for a renovation」、攻撃的なサウンドの「Sadistic Maria」、「墜落」といった攻め攻めのナンバーを繰り出し、終わりに向けて激しさの伴った楽曲で煽った。

 haderuは「ライブはやればやる程、愛しくなります。いつまでもジュアラーと相思相愛でいたいと思います。ようやく11年経ってsapotoが加わって、曲の作り方がわかりました(笑)そんなsapotoが中学生のときに作った曲を俺たちの為に、アルバムの最後の曲として制作してくれました」と言葉を送ると、sapotoが制作した何色にも染まらないという真っすぐなナンバー「Water Color」を披露し、本編は終了した。
 
 ライブは終了するもジュアラーたちのアンコールの声援に応え、再びメンバーがグッズのTシャツに着替えステージに登場。アンコールでは、この季節にぴったりなキラキラサマーチューンの「super special summer」や、ライブ中盤で披露したイントロだけの「タルトタタン」や「D.D.D」、「shell」を畳みかけライブは終了。

 最後にジュアラーとともにメンバーは記念撮影。haderuは「全国ツアー走り抜けました! ありがとうジュアラー! また会おうね!」とジュアラーへの感謝とともに再会を誓った。(取材=橋本美波)