音楽的に変化と進化を遂げた、HOWL BE QUIETが出した“今”の答え
INTERVIEW

音楽的に変化と進化を遂げた、HOWL BE QUIETが出した“今”の答え


記者:村上順一

撮影:

掲載:17年05月23日

読了時間:約17分

ジャンルレスでフリーダムな音楽性という意味でのアイドル

Mr. HOLIC

――メジャーデビューをされて1年が経ちましたが、心境の変化は?

竹縄航太 この1年で良かったと思うのは、「自分はこういう事が歌いたいんだな」というのが見つかった事と、それが『Mr. HOLIC』という形になってリリース出来たという事ですね。この1年紆余曲折ありましたが、そこに気付けて良かったと思います。

――デビュー時には「アイドルになりたい」とも仰っていましたね。

竹縄航太 アイドルと発言したのは、ジャンルレスでフリーダムな音楽性という意味でのアイドル、そこに対する憧れが強かったという部分に対してなんです。いわゆる一般的なアイドルではなく、音楽としてのアイドルというのはこの世の中で一番自由だと思うんです。観てくれる人、聴いてくれる人にとってのアイドル的な存在になりたいという事があったんです。

――一般的なアイドル像とは違うわけですね。

竹縄航太 僕らが色んなアーティストを見ている時って、それがロックバンドなどであろうと、アイドルとして見ている部分もあると思うんです。それくらい好きになって欲しいというか、色んな意味を込めての「アイドル」という僕らの一つの目標だったんです。その真意は今でも変わっていないんですけど、日本においてのアイドルという言葉のすれ違いは確かにあったと思います。そこの溝を埋める為に今は音楽をより形として表現したいと思っているんです。

――そういった流れを経て、メジャー1stアルバムが出来た訳ですが、歌詞を読ませて頂くと正に“依存症”ですよね。

竹縄航太 ありがとうございます。

――これって褒め言葉なんですかね?

竹縄航太 どうなんですかね?自分でも分からないです(笑)。

――こういった自分をさらけ出した歌詞はなかなか書けないと思います。竹縄さんならではといいますか。

岩野亨 でも、こういう想いは男性なら心のどこかにあると思うんです。だから共感もしうるし、これだけ吐き出した結果でもあると思います。

――ここまで赤裸々に恋愛観などを吐き出すのには、何かきっかけがあったのでしょうか?

竹縄航太 去年12月に「サネカズラ」というシングルを出したんですけど、そのタイミングで、まず自分という人間を切実に知ってもらいたいという所から、自分の身の回りにあった事を曝け出す事に挑んだんです。その時に「これ、凄く性に合ってるな」と気付けた事が大きかったです。その「サネカズラ」のテンションのまま、自分の想いを書いていったのが『Mr. HOLIC』というアルバムなんです。

――「サネカズラ」はかなり前からあった曲なのでしょうか。

竹縄航太 2年くらい前から曲としてはあったんですけど、歌詞や「この曲を表に出そう」という決意が固まったのが去年の秋くらいだったんです。そのタイミングでアルバムを制作しないとなという話になっていて、全てが並行していた感じでした。

自分の中で歌いたい事に集中しようと思っていた

――ちなみに現時点での最新の楽曲は?

竹縄航太 アルバムで最後に出来た曲は「ラブフェチ」ですね。

――タイトルが面白いですよね。歌詞の<出会う順番が違えば 所詮お前らなんて触れることはおろか あんなことやこんなことさえも出来ずにいたわけです♪>というのは衝撃的でした。自分はこんな風に考えた事なかったので。

竹縄航太 本当ですか?自分はもう、むしろそれしか考えていないというか。

橋本佳紀 このワードを考えた事はないけど、「なるほどな」という感じで自分は分かる感じがしました。

――曲調がまた爽やかですけど、けっこうブラックな事を言っていたりして、意外とバラードバージョンも良さそうですよね。

竹縄航太 そうかもしれないですね。

――実際アッパーな曲も最初はバラードバージョンから制作していくことも?

竹縄航太 確かにバラード調をアッパーチューンにしていくという話も聞きますね。でも、自分は作った時にテンポはほぼ決まっているんです。多少の前後はありますけど、基本的には変わらないです。

――デモをメンバーに渡す時は完成形に近い状態なのでしょうか?

竹縄航太 今まではそうだったんですが、今作は今までの制作方法とはちょっと変わっていて、自分の中で歌いたい事に集中しようと思っていたんです。メンバーも「竹はそこに集中していいんじゃない?」という話をしてくれたんです。

 なので、アレンジは全部ギターの黒木に投げたんです。だから僕の中ではピアノと歌だけで、メロディとコード感と何となくのテンポ感が分かるというだけのものを作ってクロに投げて、バンドでやって、というやり方だったんです。今までもそういうやり方はあるにはあったんですけど、今回のように全部を託したのは初めてです。結果的にメロディと歌詞に集中出来ました。

――アレンジは、スケッチ的なデモを渡された方は自由度が高いですか?

黒木健志 そっちの方が自由ですね。デモの段階でそれなりに出来ているものを一度全部崩して、というやり方の方がよっぽど難しいですね。作曲みたいに「0」を「1」にする作業ではなく、アレンジは「1」を「100」にしていく作業なんです。竹の曲のメロの良さは揺るがないので、メロディだけでもらっても「100」を想像出来るのが強みだと思います。

――今作で特に編曲で苦労した楽曲は?

黒木健志 「ラブフェチ」はもともとしっかりとしたデモがあって、それを一回崩してイチから作り直したのでそれが大変でした。

――その「ラブフェチ」を1曲目にした理由は?曲順を決めるのには苦労しましたか?

竹縄航太 意外と曲順は苦労しなくて、直感で選んだんです。「ラブフェチ」が出来て、他にも出来ている曲があって、アルバムタイトルが『Mr. HOLIC』と決まった時に、「ラブフェチ」が凄く1曲目っぽいよなと思ったんです。この曲が頭にきてくれたら凄く良い表紙になってくれるんじゃないかなというイメージがありました。単純にそういう直感で決めて、そこからずっと「ラブフェチ」は頭にいますね。もう指定席みたいな感じで。

――今作はシングル曲も入っている中でカップリング曲の「My name is...(ALBUM Ver.)」も収録されていますが、この選曲の意図は?

竹縄航太 単純に、アルバムとしてもっと曲数を入れたいとか、自分達がどんなバンドかという事を分かってもらいたいという理由があります。収録するシングル曲は決まっていたので、その中で「あと何か1曲欲しいよね」という事でカップリングから選んだんです。「My name is...」が選ばれたのは自然な流れでしたね。

 始めはもっと曲を選んでいて、気付いたらシングルコレクションになっちゃってて。そこから差し引いていって、それでも譲れないという曲が「My name is...」だったんです。これをアルバムに入れようとなった時に「せっかくアルバムだからアルバムバージョンがあったら面白いね」という事で、クロがリアレンジしてくれました。

――アルバムバージョンとしての聴き所は?

黒木健志 “My name is”という凄く大きな事を言っている曲なんですけど、そこからどんどんパーソナルな歌詞になっているんです。良い意味での“My name is”というライトさみたいなものをもっと曲で表す事は出来ないか、曲自体ももっとライトに出来ないかなと思ってリアレンジしたんです。このアルバムの「歌詞はブラックだけど曲は爽やかだよね」という感じを「My name is...(ALBUM Ver.)」でもやりたかったんです。2ndシングルの時は歌詞に寄ったアレンジをしたので、そこを逆に無視したというか。

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