単独公演『浦正・虎次郎卒業公演「Make A Next Story...」』をおこなった風男塾

 男装アイドルグループの風男塾(ふだんじゅく)が2017年3月17日、東京・品川ステラボールで、単独公演『浦正・虎次郎卒業公演「Make A Next Story...」』をおこなった。活動初期からのメンバーである青明寺浦正と赤園虎次郎の卒業公演。2人の10年間の想いを詰め込んだ、まさに集大成といえる公演となった。残留メンバーである瀬斗光黄、愛刃健水、仮屋世来音、藤守怜生の4人も特別な熱量を込めたパフォーマンスを魅せ、また、4人は卒業する2人への手紙を読みながら、涙する場面も。ライブ終盤では虎次郎が「みなさん、ソウルメイトです。心から繋がっているので安心してください。ありがとうございました!」とファンに感謝の言葉を届けた。さらに、新メンバー2人も初お目見え。これまでの軌跡と未来への希望を感じさせる一夜となった。

この曲を歌わないと卒業できないと思ってます

ライブのもよう

 ファンクラブだけでソールドアウトだったという、この日のライブ。卒業する青明寺浦正と赤園虎次郎の2人での「サイリウムライト」からライブの幕は開け、そのまま同じデュオで「僕らの歩く道」と繋ぐ。両曲ともに今の2人の気持ちを表したかの様なリリックに、観客の感情もひとしお。

 そこから他のメンバーも合流して6人編成の「キミのものがたり」へ。この楽曲を6人体制でフル披露するのは初だという。つまり、これが最初で最後の貴重なパフォーマンスとなった。続くMCで、デビューから過去のCDジャケットを全員で見ながら、これまでの足跡を振り返る。

 「センパイの彼女」と「星屑の雫」は残留する4人での披露となった。フォーメーションや歌割りが変わっている事に、ファンも色んな感情が入り混じったことだろう。その後また6人で「七色の鳥」を披露した。

 ここで挟まれたMCでは、卒業する2人に代り、オーディションで加入が決まった新メンバーの「真咲(まさき)」と「宙(そら)」が紹介された。2人からは緊張の様子が伺えた。メンバーに「新入社員みたい」といじられながらも、この8人で改めて挨拶した。

 浦正と虎次郎が一度ステージを去り、この新体制メンバーで「勝つんだ!」をパフォーマンス。新しい血が混ざったドキドキと期待を感じさせる。続く「瞬間到来フューチャー」は力強いアッパーな楽曲。オーディエンスの合いの手も曲のテンションを引き上げていく。間奏のダンスコンビネーションもばっちり決まった。

 歌い終え、新メンバーの2人は「めっちゃ緊張しました」と息を切らせている。そんな2人のイメージカラーが発表された。真咲は、虎次郎の赤を引き継ぐことに。「真咲オリジナルの赤をつくってもらいたい。まだ薄い赤だから濃い赤にしてください」と言葉を贈った。そして、浦正からは青と思いきや、健水の水色が残ることもあり、「本人にもOKもらいました!」と一昨年前に卒業した狂平のカラーだった緑を宙のカラーとして引き継ぐ事になった。その後「新しい風男塾のスタートでもありますので、頑張って下さい」と虎次郎。さらに6月の東名阪ツアーも発表された。タイトルは「風男塾ライブ2017 ソラニサクハナ」。

「後半戦この6人でもう一度お届けします」とMCして、現メンバーでライブ再開。「雨ときどき晴れのち虹」が届けられた。切ない楽曲が、2人の卒業の切なさと相まってさらに増幅される。最後のサビではメンバーが手を振るのに合わせてサイリウムが揺れた。続いて、緩く跳ねたリズムで「信じてゆけ」へ。それぞれの歌いながら見せる笑顔が清々しい。最後まで爽やかさを保ったままエンディングで暗転。

 「この曲を歌わないと卒業できないと思ってます。今までよりもっともっと皆さんと魂を1つにして歌いたい」と告げ「同じ時代に生まれた若者たち」へ。シンプルな8ビートのロックチューン。後方のスクリーンにリリックが映し出される演出も。アウトロではメンバー全員でフロアを煽っていく。

 楽曲がエンディングに着地してから、残留メンバーから卒業するメンバーへの感謝の手紙が朗読された。怜生はユーモアを交えながら、来音は涙を堪えながら、健水は溢れる感謝を、残るメンバーで一番先輩となる光黄は堪えられず涙ながらに読み上げ、「明日から新生風男塾が始まります。これからは俺が引っ張って、ユニットを大きくしていきます」と宣言した。

 この様子にファンがもらい泣きする様子が印象的だった。そんなしんみりとしたムードのなか、浦正が「これからも証をつくってくれますか?」と呼びかけセットリスト最後の曲は「証-soul mate-」。これまでの思い出を語り合うようにマイクリレーをしてから、疾走感あるサビへ。間奏で天を指差す場面では、カラフルなサイリウムもつられて天を指す。最後の<また会おう。>という歌詞が彼らの卒業とリンクしファンを扇情させるようだった。楽曲終了後、虎次郎が「みなさん、ソウルメイトです。心から繋がっているので安心してください。ありがとうございました!」と残し、全員がステージを後にした。

みんなと愛と情熱とパワーが必要です

ライブのもよう

 それから約5分の間、浦正、虎次郎コールが響きわたった。2人のイメージカラーである赤と青のサイリウムでアンコールを求める。アンコールが叶って、6人が再登場。アンコールは「絆」から。ミディアムテンポのこの曲をハイタッチしながら、メンバーからメンバーへ歌い継いでいく。最後のサビは会場全体で大合唱。声だけが響く、壮大なアウトロへと抜けていった。会場からは大きな歓声が沸いていた。

 続いて、プロデューサーであるお笑い芸人のはなわが登場。卒業メンバー2人に花を手向けた。10年間の付き合いである彼は「最初から全然だめ。泣くようなところじゃないところで泣いてしまった。2人は大功労者」と話し感慨深そうな表情をみせた。

 浦正が「自分が卒業しても風男塾は続いていきます。皆が本当に頼もしくて、沢山の青春をメンバーからもらいました。こういう空間で卒業できることが幸せです」とMC。また、虎次郎は「みんなと歌を通して気持ちと時間を共有できて、感謝の気持ちを歌で伝えてきたつもりです。俺はいつもみんなと一緒にいるし、沢山の幸せを皆さんは俺にくれました。ありがとうございました。風男塾がこれからも、もっともっと上のステージにいくために、みんなと愛と情熱とパワーが必要です。よろしくお願いします。今まで本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。

 最後は、はなわがこの公演のために作ったという新曲「希望の夕陽が燃えている」を新メンバーも交えて披露。8人でメロディーに想いを乗せ紡いでいった。全てが終わり、風男塾全員、青と赤のサイリウムに惜しまれながらステージを去り、ライブの幕は閉じた。

(取材=小池直也)

■セットリスト

1.サイリウムライト
2.僕らの歩く道
3.キミのものがたり
4.センパイの彼女
5.星屑の雫
6.七色の鳥
7.勝つんだ!
8.瞬間到来フューチャー
9.雨ときどき晴れのち虹
10.信じてゆけ
11.同じ時代に生まれた若者たち
12.証‐soul mate‐

ENCORE

EN1.絆
EN2.希望の夕陽が燃えている(新曲)