エンタテインメント全開のライブで会場を盛り上げたきいやま商店

 沖縄県石垣島出身で在住の3人組エンターテインメント・ユニット、きいやま商店が3月5日、東京・EX THEATER ROPPONGIでワンマン公演『シャレオツライブ』をおこなった。サポートメンバーにTHE BOOMのベーシスト・山川浩正や、日清カップヌードルのジャミロクワイの替え歌を担当したミトカツユキ、インストゥルメンタル・ジャズバンドのカルメラのブラス隊など実力派が出演。3月5日は「サンゴの日」ということで、今回はきいやま商店が沖縄県のサンゴ礁保全再生応援ソングとして制作した「1、2、サンゴー!」や、2月1日に配信限定リリースした「離れてても家族」など全23曲を披露。アンコールではマスト(Vo.Gt)の誕生日サプライズもおこなわれた。約2時間半、エンターテインメント全開のパフォーマンスで観客を楽しませた。

「ダックァーセ!」で『シャレオツライブ』は幕あけ

ライブのもよう

 会場には小さい子供の姿も多くみられ、家族連れが目立っていた。一般的なライブとはまた違った客層だ。開演を待ちわびるなか、流れていたBGMがクレッシェンドしていき会場は暗転していく。石垣島を囲む海のような青いライティングのなか、島のムード漂う沖縄民謡が響き渡る。そこからまさかのクラブサウンドに変貌し、紗幕の向こうに3人のシルエットが映し出された。曲のアクセントに合わせポーズを変えていく3人を順番に、ひとり一人にフォーカスを当てていく。紗幕が落ちるとステージの全貌が見え、3人による軽快なウェルカムダンスが披露された。

 ダンスもバッチリ決まり、そのまま「ダックァーセ!」でライブの幕は開けた。インストゥルメンタル・ジャズバンドのカルメラのブラス隊によるゴージャスなブラスサウンドと、生バンドのグルーヴィーなサウンドで序盤からノリノリ。

 マストの乾いたギターサウンドがイントロで響き渡り、“超ヤバイ”という意味を持つ「まるでーど!」ではTokyo ROUGEの6人の女性ダンサーが登場。一気に会場をラテンの雰囲気に飲み込んでいく。その躍動感のあるサウンドに観客の体は自然とリズムを刻んでいく。続いて、ピアノと3人のハーモニーが広がった「空とてんぷらと海のにおい」、ソウルフルなサウンドに、面白い体験談をラップに乗せて届けた「あるよね〜」、そして、ロックサウンドでアグレッシブに届けた「頑張れよ!」と立て続けに披露した。

 大好きな3人の叔父さんのことを歌った「頑張れ!スミオおじぃ」へ。なんともきいやま商店らしいパーソナルな歌詞で観客を楽しませていく。続いて、だいちゃん(Vo.Gt)がアコースティックギターを手にし、「僕らの島」を披露。軽快なリズムとキャッチーなメロディで生まれ育った島のことを歌い上げていく。

 ここで1回目のMCへ。だいちゃんが「シャレオツライブということで、パーマを当ててきました」と報告。帽子を被っているため、髪がよく見えないということもあり、会場の笑いを誘った。上質なコントを見ているかのようにテンポよく楽しませていく。初めての人にもきいやま商店を知ってもらうべく自己紹介。フッチャーやガッチャーという長男や次男を意味する、沖縄の方言などを説明しながら紹介していった。

 そして、この日は3月5日(サンゴの日)ということで、沖縄県のサンゴ礁保全再生応援ソングとして制作した「1、2、サンゴー!」を披露。リズミカルに<1、2、1、2、サンゴー!>と躍動感あふれるナンバーで高揚感を煽る。続いて、だいちゃんのサンレレ(※三線とウクレレを融合させた楽器)がアクセントとなり、穏やかな空間を作り上げた「行ってくるよ」、リョーサ(Vo.三線)によるブルースハープが印象的に響いた「マブヤーnight」、おばあちゃんが作るそばの歌だという「土曜日のそば」など、ノスタルジックな気分にさせてくれるセクションだった。

マストに誕生日サプライズ

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 MCを挟み続いては2月1日に配信限定でリリースされた「離れてても家族」を届けた。両親の別居を歌った一見、重いテーマのナンバーだが、そこはきいやま商店。どこか微笑んでしまう歌詞は、逆境をもポジティブにしてしまう力を感じた。さらにリョーサとマストの父親のこと歌った「ロックンロールびーちゃー」。“びーちゃー”とは酔っ払いを意味する石垣島特有の方言。その“びーちゃー”という言葉の響きを巧みにメロディにハメ込み、他とは一味違ったロックンロールを聴かせてくれた。

 六本木ということで、だいちゃんとマストが六本木の飲み屋に行くというミニコントを経て、続いては沖縄の普久原メロディを取り入れた「十八番街」へ。情景が見えるようなサウンドと歌は、観客を「十八番街」へと誘う。さらにサポートメンバー紹介を経てSMAPの「SHAKE」をカバーで届ける。SMAPならぬSHIMAP(シマップ)としてパフォーマンス。国民的ナンバーでおおいに加速度を上げ、後半戦に突入していく。

 畳み掛けるように最高にキャッチーな「ハブとマングース」で会場のボルテージは最高潮に。だいちゃんのカスタネットが冴え渡った「ドゥマンギテ」。フラメンコ調のサウンドに乗って会場全体はお祭り騒ぎ。まだまだ踏み込んだアクセルを緩めないまま突入した“ほら言わんこっちゃっない”の意味を持つ「ゆーしったい」では、リョーサが英・ロックバンドQueenのボーカリスト、フレディ・マーキュリー風のコスプレにチェンジ。リョーサが「シャレオツライブの意味を教えてやろう。シャレになんねえお疲れ様だ!」と力強く投げかけ、ステージを縦横無尽に動き回り盛り上げていく。最後は<エンジン全開 アクセル GO GO♪>と決めポーズ。

 本編ラストの「沖縄ロックンロール」では、観客もタオルを振り回し、さらなる一体感を作り出し、アグレッシブなビートに煽られ会場はドンチャン騒ぎのような盛り上がりに。エンディングでは銀テープも宙に舞い盛大に本編を終了した。

 アンコールに応え、Tシャツに着替えた3人が再びステージに登場。ここで誕生日サプライズが。3月10日が誕生日のマストを、カルメラのブラス隊による「HAPPY BIRTHDAY」でお祝い。そして、バースデーケーキも登場。会場の関係でキャンドルに火は灯せなかったが、先ほど発射された銀テープを持った観客が、そのテープを手に持って揺らしキャンドルの代わりに。客席に向かってマストが吹き消すという粋なやりとりも。

 微笑ましい生誕サプライズに続き、アンコール1曲目はサンバのリズムが体を揺らす「カーーニバレ」へ。ダンサーも登場し、まさにサンバカーニバルさながらのテンション感。ラストは「あの曲がないと終われねえぜ」とマストの言葉から「さよならの夏」。カラフルで大きな風船がステージから放たれた。風船が会場を弾むなか、レゲエチックなサウンドと優しい歌声が会場を包み込んだ。そして、ステージを降り、直接観客に感謝を伝えに行く3人。最後に<ラララララ♪>と会場全体のシンガロングで大団円を迎えた。エンターテインメントなステージは訪れた人々を笑顔に変えていく。3人の“楽しませたい”という想いが存分に表れたステージであった。(取材=村上順一)

セットリスト

きいやま商店 シャレオツライブ
3月5日 東京・EX THEATER ROPPONGI 

01:ダックァーセ!
02:Everybody ワン・ツー
03:まるでーど!
04:空とてんぷらと海のにおい
05:あるよね〜
06:頑張れよ!
07:頑張れ!スミオおじぃ
08:僕らの島
09:1、2、サンゴー!
10:行ってくるよ
11:マブヤーnight
12:土曜日のそば
13:離れてても家族
14:ロックンロールびーちゃー
15:十八番街
16:SHAKE(SMAPカバー)
17:ハブとマングース
18:ドゥマンギテ
19:じんがねーらん
20:ゆーしったい
21:沖縄ロックンロール

EN1:カーーニバレ
EN2:さよならの夏