ROOT FIVE。「脱・歌い手宣言」の決意表明を表した「大逆転エモーション」

 江川直樹(ぽこた)、石城結真(みーちゃん)、藤谷慶太朗(けったろ)、駒沢浩人(koma'n)による4人組ボーカルグループのROOT FIVEが12月14日に、通算9作目のシングル「大逆転エモーション」をリリースした。2011年にメジャーデビュー。昨年10月には蛇足が脱退し、4人体制となって今年5周年イヤーを迎えた。彼らはデビュー前、動画共有サイト「ニコニコ動画」で、既存曲やオリジナル曲を歌い、それを動画として投稿する、いわゆる「歌ってみた」という“ニコ動”特有のカテゴリのなかの「歌い手」として活動していた。彼らはそこで歌唱力やキャラクターが評価され、一躍注目を集めるようになったが、一部では「歌い手」がメジャーデビューすることに懐疑的な意見もあった。それから5年が経ち、節目を迎え改めてプロとしての決意を表明するべく「脱・歌い手宣言」というテーマを掲げ「何を言われてもプロとして歌を届ける」という思いを込めたのが今作。彼らがこれまでに抱いてきた想いはどういったものだったのだろうか。そして、これから進んでいく未来とは…。

思い立った日が一番若いよ

ぽこた

江川直樹(ぽこた)

――今年メジャー5年目に突入されました。今まで活動してきた日々はご自身にとってどういったものでしたか。

藤谷慶太朗 最初はシングル3枚とアルバム1枚を出すというのが目標だったんです。それが気づいたら、シングルも4枚5枚とリリースすることができて、本当にありがたいですよね。そこまで足を止めることなく活動を5年やってこられて、早かったなというのが正直な感想です。あとは、僕もあのとき21歳、新卒にもなっていないような悪ガキだったんで、心身ともに大人になったかなというのもあります。もちろんROOT FIVEという活動を通じたからというのが大きいですね。

江川直樹 振り返ってみると色々やってきているんですけど、過ぎてしまうとあっという間だったなと思えるのは、目の前にあることに頑張れてこられたのかなと思います。もう少し考えて動いたらもっと効率よくできたのかなというのは4人になって初めて気づけました。必要に迫られないと人ってなかなか真剣に何かを変えようとは思わない生き物なんだなと。

 改めて自分たちが4人になって新しいことをやろうとか、真剣に考えたときにそういう風に思えました。ピンチはチャンスなんだな。(メンバー)5人のままだったとしたら今年も同じようにやっているのかもしれないし。そうなっていったら、もはや取返しのつかないことになっていたかもしれないので。色々良い転機になったなと思います。

石城結真 今年1年は凄く充実した年になったのかなと思っています。はっきり言うと最初の4年はちょっともったいなかったなと今は思うんです。「こういうのやりましょう」と言われてきて、それを黙々とこなしてきた4年間だと僕は思うんです。ROOT FIVEでは、ですけどね。

 あまり、意見にも参加せずに過ごしてきた4年間は、僕自身がもったいなかったなと思っていて。筋トレ語録で「思い立った日が一番若いよ」というのがあるんです。それと一緒でこの活動に対して本気出してぶつかって頑張っていくという風に思った日は、人生で一番若い日だなと。やっと今年からそれが出来て良かったなと僕は思います。

駒沢浩人(koma'n)

駒沢浩人(koma'n)

駒沢浩人 僕自身も高校卒業したてで、まだ考え方も子供で色々何していいかわからないというときにメジャーデビューして、当時はメジャーデビューするというだけではしゃいでしまう年頃ですから、「やった!!」みたいな感じでいました。みんな年上なんで、あんまり意見も言いづらいときもあったり。実は言われるがままにやってきた部分が結構あったんです。その間でもピアノはやってきましたけど、メジャーシーンで作詞、作曲とかシングルで出させて頂いたりして、そういう意味で良い音楽的な経験は色々させていただいた5年間だったと思います。

 ダンスだとか、今年は殺陣とか本当に新しいことに挑戦する機会を与えていただいて。大人になると、新しいことに挑戦する機会ってなかなかないので。そんな中で今までやったことのないことを、挑戦することが非常に増えました。僕は割と保守的なので、新しいことに挑戦せずに、出来ることは掘り下げていくタイプなんです。そういう機会をもらえて新しいことに挑戦させていただくことがあり、自分の視野だったり、出来ることの新しい発見がありました。自分の可能性に気づけた5年でした。

――ROOT FIVEのリーダーはメンバーの中で最年少の駒沢さんです。江川さん、石城さん、藤谷さんから見て駒沢さんのリーダーとしての活躍ぶりをどう捉えていますか?

駒沢浩人 何もしてない…(笑)リーダーに決まった理由は『ニコラジ』というやまだひさしさんがやられているニコニコ動画のラジオがありまして。そこで、ROOT FIVEの結成時に「そういえばリーダーって誰なの?」と聞かれて「決まってないよなー」という話になったんです。じゃあ、多数決で決めようということになり、それで決まったのが僕なんです。

石城結真 年下だからっていうのは大雑把な理由で。深くは色々あるんですけどね。

駒沢浩人 リーダーという役職を与えられたことで、なかなか喋りづらい最年少が話すきっかけがもらえたというのはありますね。でも、「僕がこれだ!」という案を出したりだとか、仕切ったりだとかは特別してきた訳じゃなくて。みんな、自分の得意不得意があるので、そこは得意な人がおこなってきたという感じです。適材適所ですね。

石城結真 駒沢はリーダーじゃなかったとしても、多分やっているとは思いますけど、一番大事な楽曲を制作する存在なので。そういう点でもリーダーらしい仕事を一番しているんじゃないかと僕は思います。

ROOT FIVEはこうだよっていうのを打ち出していく

石城結真(みーちゃん)

――「大逆転エモーション」のテーマは「脱・歌い手宣言」です。プロとして「歌を届けること」への決意表明だと思いますが、元々は“ニコ動”の歌い手としてスタートしたみなさんだからこそ、今回のようなテーマは勇気がいることだと思いますが。

藤谷慶太朗 そうですね。でもそれは悪いことではなくて、別に歌い手さんを被疑している訳ではないですし、僕たちがそうじゃなくなる訳ではないんです。単純に「インターネットから出てきたという部分の言い訳にはしないよ」ということでの“脱”という意味です。“一切これから動画を投稿しません”とか“歌い手という肩書きを捨てます“ということを言っている訳ではなく、これからまたボーカル楽曲を上げるとも思いますし、そういう意味では何も変わらないです。“ROOT FIVEはこうだよ”というのを更に深く打ち出していく感じです。

江川直樹 歌い手というカテゴライズが何なのかというのは、自分自身、未だによくわからないんですけど、ただ人の作っている歌をカバーして投稿しているだけのものだったところから「自分たちの意思表示としてやりたいことがあるんだよ」というところだと思うんです。今までの歌い手活動として、自分たちがやってきたものとは大きく違うのかなというところをみなさんにわかっていただきたいなというのが、大きなテーマなので。抵抗は別にないですね。

――このテーマはみなさんで話し合って決めたんでしょうか。

石城結真 そうですね。僕たちが話し合っていた内容を究極にキャッチーにした感じだよね。

――結構パンチのあるテーマですよね。

石城結真 確かに。僕はいいなと思いました。

藤谷慶太朗 僕らがどうこうと言うよりかは、歌い手ということで貼られてきたレッテルを僕らは受けたとしても「気にしないでやりますよ」という意思表示です。畑は変えられないですから。育った畑は変わらないので。それをちゃんと受け止めたということです。もう逃げませんということです。

藤谷慶太朗(けったろ)

――レッテルとのことですが、そういうのは結構あったのでしょうか?

藤谷慶太朗 もちろん。ずっとですよ。

石城結真 ネット上でね。どのくらいの人が言っているかはわからないですけど。

――レッテルについて皆さんは気にしている部分も?

藤谷慶太朗 まあ、人それぞれですよね。

石城結真 ROOT FIVEを始めた時ぐらいから僕は気にしなくなっちゃいました。

――今はそれが反骨精神みたいな気持ちになっていたり?

石城結真 そうですね。“歌い手”という言葉自体も僕らがやっていた頃はなかったですし。いつの間にか、勝手に「歌い手」と呼ばれるようになっていたみたいな感じです。人の曲をカバーして動画投稿しているだけ、その中で自分を魅せるのが人よりちょっと上手かったというだけで、スキルは伴っていないみたいなどは自分たちの中であったので。

藤谷慶太朗 わかりやすく言うと脱素人宣言ですよね。歌い手というよりかは。気持ちの面でね。

江川直樹 でも、今から歌い手で成功をするのもすごく大変だけどね。

石城結真 そうだね。

――駒沢さんはその件に関してはどう思われているのでしょうか?

駒沢浩人 僕もみんなと同じ意見ですね。今までニコ動出身というレッテルを貼られて、僕らもメジャーらしいことをやるたびに叩かれる運命にあった訳です。今作は、叩かれるのを覚悟して「やったるぞー」という決意表明です。今まで通り変わらず、新しいことに「挑戦しているよ」くらいに受け取ってもらえればと思います。

僕たちの想い、これからの未来、そして全てが詰まった一枚

江川直樹(ぽこた)

江川直樹(ぽこた)

――新作「大逆転エモーション」は新境地を開いたシングルだと思います。みなさんからみて、どんな表情を見せた楽曲になっているのでしょうか。

駒沢浩人 本当にカッコ良い曲です。ROOT FIVEの楽曲に、こういうテイストの曲もあったと思いますけど、ここまで振り切ってロックでカッコ良くて、しかも綺麗にまとまったものは出来なかったので。デモコンペで曲を選曲するときも結構迷って…。大事なシングルなので色々悩んだんですけど、結果、ROOT FIVEに一番あった楽曲を選べたのかなと思います。特に歌詞が良いんですよ。

石城結真 僕たちの想い、これからの未来、そして全てが詰まった一枚です。

江川直樹 まず絶妙なバランスの曲だなと思いましたね。ロックともオシャレともつかない絶妙な所。僕らには「Change Your World」という曲があるんですけど、同じような感じになっちゃったらいやだなと思っていたんです。そこも今回は差別化ができて、今の4人らしさが出せて良かったと思います。

藤谷慶太朗 実は凄く落としどころに困った曲で、詞という部分では今までのROOT FIVEの曲でラップを含め10曲以上は書いてはいるんです。でもシングルのA面で書くということは初めてだったので、もちろん制限もありますし、暗黙のルールみたいなものもあって。アルバム曲ならこれでOKだけど、シングルだとこれは出せないよという部分の塩梅は色んな方とすり合わせしながら作りました。

 実際に僕たちが言いたいことというのは、歌詞を見ていただいたらわかると思うんですけど、結構長ったらしくなっちゃうんです。かなり引き算して出てきたものが「脱・歌い手宣言」みたいな部分。そういう意思表示を1曲にまとめるという作業をしていました。それに加えて応援してくれるファンに対してのありがとうという気持ちを込めて。

 あと、来年6月から始まる『ROOT FIVE STORYLIVE 2017 “A” ~Four Elements : Four Braves~』のテーマに「星」があるんです。なので、星をテーマにしたワードが随所に散りばめられているのがあって、ライブツアーの伏線にもなっています。非常に聴き手によって、印象が凄く変わる曲だと思います。江川も言っていたけど、ロックともとれるし、ポップスともとれるし。

良いことにしすぎないでキャッチーにするのがサビの仕事

駒沢浩人(koma'n)

駒沢浩人(koma'n)

――歌詞をハメるのが難しかった所はありますか。

藤谷慶太朗 やっぱりサビですね。上手いことを言うのは意外と簡単なんです。良い言葉にしすぎず、キャッチーにするのがサビの仕事だと僕は思っています。耳に残るフレーズを絶対に優先しないといけないんです。

――タイトルは歌詞が出来たあとに?

藤谷慶太朗 サビを書いていて、ハマった単語だったのでタイトルは「大逆転エモーション」しかないなという話になりまして。凄く究極にキャッチーになった感じです。エモーションって最初はアルファベットだったし、カタカナにしたことで複雑、且つキャッチーにしたという部分があります。

――「大逆転エモーション」という単語を聴いたときに、みなさんどう思われましたか?

駒沢浩人 やっぱりキャッチーだと思いました。駒沢イズムを藤谷に教えた感じです(笑)。

藤谷慶太朗 じゃあ継承で(笑)。

この間、じいちゃんつぶしましたからね。大逆転です

石城結真(みーちゃん)

石城結真(みーちゃん)

――大逆転エモーションとかけて、今までの人生の中でこれは大逆転したなというエピソードなどがありましたらお聞かせください。

藤谷慶太朗 僕は、脂質と筋肉量の割合が大逆転しましたね。

――ジムで鍛えられているんですか?

藤谷慶太朗 最近はジムじゃないんですよ。前はジム通っていたんですけど。

石城結真 今は自重だよね。

――器具を使うよりも自重の方が良かったりするのでしょうか?

藤谷慶太朗 自重が必ずしも良い訳ではないです。手っ取り早いのはジムでしょうし。ただ、お金もかかるし、行く手間もかかるし。鍛えている部位がわかっていてノウハウだとか、食事のメソッドがしっかりあれば割と自重でも綺麗にいけると思うんです。

――江川さんは大逆転したなと思う出来事とかありますか?

江川直樹 僕は、レーシックですかね。世界が変わりました。

――視力が悪かったんですか?

江川直樹 元々良かったんですけど、良いときには見えることのありがたさに気づかずにいました。見えなくなって、見えるようになったときの感動が凄かったですね。

――石城さんは?

石城結真 僕は、昔マカオに行ったことがあるんですけどその時に、カジノをやったんです。ちょこちょこかけていて、最初に負けていたんですけど一気にかけたら、倍の金額になって大逆転しました(笑)。

――そのお金はどうなったんですか?

石城結真 一瞬ですぐ使っちゃいました(笑)。

――駒沢さんは?

駒沢浩人 僕は急性アルコール中毒になってから、お酒が強くなったことです。元々、そこそこお酒は強かったんですけど、1度、急性アル中になって1週間はお酒の匂いも嗅げなかったんです。それが治ってからさらに飲めるようになりました。死の淵から復活すると強くなる「ドラゴンボール」のサイヤ人というか。そのおかげでおじいちゃんが凄くお酒強いんですけど、そのおじいちゃんをつぶしましたから。大逆転です(笑)。

藤谷慶太朗(けったろ)

藤谷慶太朗(けったろ)

――「大逆転エモーション」のリリース日は12月14日。1stシングル「MERRY GO ROUND」でデビューした日と同じですよね。これは狙っていましたか?

藤谷慶太朗 当然です(笑)。

駒沢浩人 僕らがデビューシングルから、5年経って同じ日に重なるなんてね。

藤谷慶太朗 数奇な巡りあわせと言いますか、5周年って区切りな年な訳じゃないですか。この先、10年、20年となっていきますけど、その中でも10周年、15周年という倍数ってどのアーティストでも、企業であっても節目の年だと思うので。デビューと同じ日にリリース出来ることはありがたいです。あと、僕らROOT FIVEですから。やっぱり5という数字に対しては思い入れがあります。これでもうシングルチャート5位ですよ。

石城結真 そうなったら面白いよね。

――それでは最後に、これから4人でROOT FIVEを進んでいく上で、決意や意気込みなどをお願いします。

藤谷慶太朗 決意表明の曲をリリースしますから、この曲が嘘にならないようにしっかり前を向いてやっていきたいなと思う次第であります。

江川直樹 本当ね、新しいリスタート。ここからちゃんと頑張っていけるように弾みをつけていきたいなと思います。

石城結真 こういうインタビューで「新しい僕たちを!」と毎回言っていると思うんですけど、また言います(笑)。新しい僕たちをずっと見られる良いシングルになっていると思います。みんな見てくれ…聴いてくれ…そして買ってくれ。

駒沢浩人 この曲を聴けば全部わかるから…。それ以上何も言わないよ…。

藤谷慶太朗 インタビューなんだから言えよ(笑)

駒沢浩人 (笑)

(取材・橋本美波)