中継で参加したバッハ会長(撮影・松尾模糊)

中継で参加したバッハ会長(撮影・松尾模糊)

 11月28日から都内のホテルでおこなわれていた、東京五輪・パラリンピック開催に向けてのブラジル・リオ大会の知識と経験を引き継ぐ報告会『リオ 2016 大会デブリーフィング』が11月30日、全日程を終えた。大会準備や運営の知識等の意見交換がおこなわれるなか、29日には競技会場見直しをめぐる四者会談も開かれた。東京2020組織委員会の武藤敏郎事務総長は最終日のこの日、報告会を振り返り「IOCの理念を引き継ぐことができたと思う」とその意義を語った。また、ドイツから中継で参加したバッハ会長は「素晴らしい大会になるだろう。Let’s go Tokyo!」と激励の言葉を述べた。

 報告会『リオ 2016 大会デブリーフィング』は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と、国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会、リオ2016組織委員会が合同で28日・29日・30日の日程で開催。2020年の東京大会に向け、今年開催されたリオ大会の関係者を招き、話し合いがおこなわれた。

 最終日のこの日は、東京2020組織委員会の武藤敏郎専務理事・事務総長、東京都の山本隆副知事、IOCジョン・コーツ副会長、リオ2016組織委員会のカルロス・ヌズマン会長などが出席し、リオ大会の経験を振り返りながら、2020年の東京大会に向け、パネルディスカッションなどをおこなった。

 東京2020年大会と開催都市を代表して壇上に上がった武藤事務総長と、山本副知事はデブリーフィングを振り返った。武藤事務総長は「大変有意義な時間を過ごせた」と振り返り、「IOCの理念を引き継ぐことができたと思う」とその意義を強調した。

 山本副知事は「リオ大会は安全の面でも成功を収めたと思う」と述べ、「10月に銀座でおこなわれた、リオ五輪のパレードには80万人が集まった。世界だけてなく、日本人にとっても五輪は関心が高いこと」と日本でのリオ五輪日本代表選手団によるパレードを振り返り、「また、東日本大震災では世界中から支援を頂いた。感謝の気持ちを、復興のアピールで示し、大会に付加価値を与えたい」と意気込んだ。

記者会見のもよう(撮影・松尾模糊)

記者会見のもよう(撮影・松尾模糊)

 大会支援者であるステークホルダーのディスカッションでは、オリンピック放送機構のヤンス・エシャホスCEOが「価値観の共有ができたことが、リオ大会の成功に繋がったと思う。2020年大会でも、早くからステークホルダーと運営側が話し合い、価値観を共有するべき」と述べた。

 さらに、この日はドイツから中継で参加したIOCトーマス・バッハ会長は「リオ大会では競技場の中、外でもドラマがあった。世界の約半数の人々が観戦し、尊重や平和という価値観が拡散された」とリオ大会の成功を振り返り、東京2020年大会について「次の2024年大会に繋がる素晴らしい大会になるだろう。“Let's go Tokyo!”」と激励の言葉を述べた。

 デブリーフィングの最後には、リオ大会のダイジェスト映像が、ブラジル生まれの楽曲であるボサノバとともに流され、参加者から拍手が起こった。

 3日間の日程を終え開催された記者会見では、IOCオリンピック競技大会エグゼクティブディレクターのクリストフ・デュビ氏が「30のセッションと、600人を超える参加者により、素晴らしい話し合いができた」とデブリーフィングを振り返った。

 また、先日バレーボール競技場として東京都・江東区の「有明アリーナ」の新設案と神奈川県・横浜アリーナの活用案が上がっていることが報道された件で、武藤事務総長は「その件は都が決定することなので、私が言及することはできません。話せる範囲であれば、有明アリーナなどを民間の運営に委託し、予算を少しでも削減する案などはあります。全体の予算は2兆円を切ると試算が出ています。まだまだ、削減する余地もあります」と述べるにとどめた。

 29日におこなわれた、2020年東京五輪・パラリンピックの開催経費を見直す、IOCと大会組織委員会、東京都、政府の4者協議ではバレーボール競技場については、12月下旬まで結論を先送りすることが決まっていた。(取材・松尾模糊)