東京都の小池百合子都知事(撮影・松尾模糊)

東京都の小池百合子都知事(撮影・松尾模糊)

 東京五輪・パラリンピック開催に向けて、今夏のブラジル・リオ大会の知識と経験を引き継ぐ報告会『リオ 2016 大会デブリーフィング』が28日、都内のホテルで始まった。リオ大会の組織委員会やリオデジャネイロ市の関係者を招き、30日までの日程で、パネルディスカッション等をおこない、大会準備や運営の知識やノウハウを学ぶ。初日のこの日、オープニングセッションで東京組織委員会の森喜朗会長は「今回の希少な学びの機会を通して東京大会をリオ大会に負けない素晴らしい大会にしたい」と述べた。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と、国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会、リオ2016組織委員会が合同で28日・29日・30日の3日に渡りおこなうもので、2020年の東京大会に向け、今年開催されたリオ大会の関係者を招き、話し合いがおこなわれる。

 この日のオープニングセッションには、組織委員会の森喜朗会長、東京都の小池百合子都知事、リオデジャネイロ市のエデュアルド・パエス市長が出席。

森喜朗会長(撮影・松尾模糊)

森喜朗会長(撮影・松尾模糊)

 森会長は「日本とブラジルは地球上で最も離れていますが、歴史的には最も深い繋がりがある国です。100年以上前、日本から多くの人々がブラジルに渡り、現地の人々とともにブラジルの発展に貢献しました。リオ大会の開会式では、日系移民の人々をイメージしたパフォーマンスが繰り広げられ、2国間の歴史や、緊密な関係が改めて世界に認知されたと思います」と日本とブラジルの関係について語った。

 また、「閉会式では、次回開催都市として、ハンドオーバーセレモニーをおこないました。小池都知事が、見事に五輪旗を引き継いで来ました。その際、東日本大震災の際に受けた、温かいご支援への感謝の気持ちをお伝えして頂きました。もう1つ、何世代にも渡って苦労された日系の方々にお報いしたいという気持ちを伝え、遠い故郷に想いを馳せて頂ける様、安倍内閣総理大臣にご出席頂いたのもご存じの通りです」とリオ大会を振り返り、「今回の希少な学びの機会を通して、東京2020大会をリオ大会に負けない素晴らしい大会にしたい」と意気込みを述べた。

 小池都知事は「リオで五輪旗を受け取ったときに、いよいよ次は東京の番だ、という想いを受け継ぎました。リオで拝見致しました、施設の整備、交通・インフラ、治安対策、開催都市が担う課題への対策について学んで参りました」とリオ滞在を振り返った。

 さらに、「サスティナビリティ(sustainability=持続可能性)が、最も重要です。リオ大会ではそれが実現されていました。これを参考に“もったいない”の思想を大会の運営に取り入れたいと思います。そして、アスリートが全力を出せる環境を整えていく、これも東京大会を運営する役目だと思います」と大会運営について持論を述べた。

ディスカッションの様子(撮影・松尾模糊)

ディスカッションの様子(撮影・松尾模糊)

 最後に「東京には美味しいお寿司もあります。素晴らしい文化にも触れて頂きたい。東京の多様な魅力を味って頂くご滞在になるよう願っています」とリオなどから訪れた関係者を歓迎した。

 リオ・デ・ジャネイロ市のエデュアル市長は「オリンピックの大会を通して、いかに都市が変化するかが大事です。オリンピックでは都市をそのまま使うものと、オリンピックに向け、都市が変化するものがあります。リオでは、様々な困難がありましたが、大会を通して多くの雇用も産まれ、大きな発展を遂げることができました」とオリンピック大会が都市の発展をもたらしたと語った。

 また、リオ2016組織委員会のカルロス・ヌズマン会長、IOC委員でリオ大会調整委員会のナワル・エル・ムータワキル委員長、IOCのカースティ・コベントリー委員、東京2020組織委員会の武藤敏郎事務総長・専務理事によるパネルディスカッションでは、リオ大会の成功を振り返りながら、2020年の東京大会の課題などを話し合った。

 武藤事務総長は「リオ大会では開会式から閉会式まで滞在しました。日本の報道などでは開会前の懸念ばかり、クローズアップされていたが、実際に現地に赴くと全くそんな心配事は見当たりませんでした」とリオ大会の成功を振り返った。

 ナワル委員長は「大会調整期間中、何度もトップが変わったりすることもありました。彼らの考えは違いますが、同じビジョンに向かい努力していくことは、とても素晴らしい経験でした」と大会運営の困難とやりがいを語った。(取材・松尾模糊)

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