アンコールでは4人だけで演奏しボルテージは最高潮(撮影・橋本 塁 /SOUND SHOOTER)

アンコールでは4人だけで演奏しボルテージは最高潮(撮影・橋本 塁 /SOUND SHOOTER)

 4人組ロックバンド、9mm Parabellum Bulletが11月5日に、東京・豊洲PITで全国ツー『TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”』の追加公演をおこなった。4月にリリースした6thアルバム『Waltz on Life Line』を引っさげて、6月24日の山形・酒田MUSIC FACTORYから10月30日の大阪・Zepp Nambaまでを予定していた今回のツアーは、ギターの滝 善充の手の不調もあり6公演は中止。残りは、サポートギタリストに武田将幸(Gt)を入れ、アコースティック形態やゲストバンドを迎えて実施してきた。今回の追加公演では、メンバーのフェイバリットバンドであるGRAPEVINEをゲストに2マンで展開。個性あふれる2バンドによって会場は熱気に満ちたライブとなった。アンコールでは、サポートギタリスト抜きで4人で「Talking Machine」を披露し、来春に7枚目のアルバムをリリースすることを発表した。

貫禄を見せつけたGRAPEVINE

GRAPEVINEの田中和将(Vo.Gt)(撮影・橋本 塁 /SOUND SHOOTER)

GRAPEVINEの田中和将(Vo.Gt)(撮影・橋本 塁 /SOUND SHOOTER)

 定刻になると、9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎(Vo.Gt)が登場し、前説をおこなった。今回のツアーは滝の手の不調により、ワンマンでフル尺が出来ないことなどをオーディエンスに伝えた。「カウントから全開でいくので、東京のみんなも最初から全開で来てください」と力強くコメント。

 菅原と滝 善充(Gt)の高校時代からのフェイバリットバンドであるGRAPEVINEがステージに登場した。田中和将(Vo.Gt)が「これが9mmのお客さんか」と会場を見渡し、「さあやろうか」とリハーサルでも始めるかのように、自然な流れのなか「FLY」でライブの幕は開けた。名刺代わりにどこまでも高く飛びあがれそうな開放感あふれるサウンドをぶつけてきた。そして、「EVIL EYE」で空間を広げたスペーシーなサウンドで、オーディエンスを釘付けにする。

 「70年代から活動しているバンドです」とユーモアを交えたMCを挟み、「1977」へ。田中がテレキャスターからアコースティックギターへ楽器を変え、オーガニックなサウンドで展開。亀井亨(Dr)による抑制のきいたリズムが刻まれるなか、それによってより一層、田中の歌声を際立たせていく。一転してエッジの効いたサウンドで世界観をガラッと変え、「スレドニ・ヴァシュター」へ突入。感情を叩きつけるように歌う田中からは鬼気迫るものを感じさせた。

 イントロで西川弘剛(Gt)の危うい和音感がキラリと光る「CORE」。コアに向かっていくような混沌としたサウンドスケープでGRAPEVINEの幅広さを魅せつけ、ラストは「風の歌」を披露。ミディアムバラードナンバーで、会場を包み込み9mm Parabellum Bulletにバトンを渡した。

9mm Parabellum Bullet、ラストは4人で演奏

ライブの模様(撮影・橋本 塁 /SOUND SHOOTER)

ライブの模様(撮影・橋本 塁 /SOUND SHOOTER)

 オープニングSEが流れ大歓声のなか、メンバーがステージに登場。真っ赤なライティングでステージが染まり、見ているこちらも闘争本能を掻き立てられた。これから始まる激しいライブを予兆させた。ツアータイトルでもある「太陽が欲しいだけ」でライブはスタート。<さあ両手を広げて すべてを受け止めろ♪>と菅原の歌うと、オーディエンスも両手を掲げ応える。

 続いて、菅原の気合の入った「行くぞ! 東京!!」の掛け声からメジャーデビュー曲「Discommunication」を披露。滝はシンセサイザーにチェンジし、ギターはサポートの武田将幸(Gt)が奏でる。中村和彦(Ba)の暴れっぷりとキラーチューンにオーディエンスの振り上げる腕にも力が入る。そして、かみじょうちひろ(Dr)の疾走感溢れる2ビートのリズムワークが高揚感を煽った「モーニングベル」へ。滝も再びギターを手にし、ライトハンド奏法を流れるようなフィンガリングで披露し、楽曲のスピーディーさに拍車をかける。

 MCでは菅原が「最初から全開で来てくれてありがとう。次にやる曲は今話しているよりも短い曲です。わかるだろう!?」と投げかけると、7月にリリースした8thシングル「インフェルノ」に突入。ドラムの2バスが重戦車のように押し寄せてくる。タイトルのごとく地獄を連想させるサウンドで、9mmの魅了を約90秒間に詰めんこんだ。そして、このツアーでは初演奏となった「ロンリーボーイ」を披露。

 「あまり太陽に出会えなかったツアーだったけど、今日やっと出会えました。終わり良ければすべて良しです。9mmには雨の歌がたくさんあって、これからやる曲は雨が上がった後に見てる景色の歌です。美しい曲で気に入っているんです。みんなの前で歌うのを楽しみにしてました」と菅原がこの曲への思いを語り「スタンドバイミー」へ。世界観を変え、勢いだけではない先ほどまでとは対極にあるような楽曲で聴かせる。

菅原卓郎(Vo.Gt)(撮影・橋本 塁 /SOUND SHOOTER)

菅原卓郎(Vo.Gt)(撮影・橋本 塁 /SOUND SHOOTER)

 菅原がこのツアーでゲスト参加してくれたバンドに感謝を告げ「ツアーラストを最高のものにするためにみんなの力を貸してください。いけるか!!」と力強く煽り、「反逆のマーチ」へ。乱痴気騒ぎのようなリズムワークのなか、もっと来いよと言わんばかりの表情を見せ煽る菅原。そして、BPM200を超えるハイスピードナンバー「Lost!!」で畳み掛ける。難解なキメに合わせてオーディエンスも拳を振り上げていく。

 そして、「The Revolutionary」へ。ミュージックビデオと同様に眩い光を使用したライティングで、世界観を演出。メッセージ性のある歌詞とアグレッシブな演奏が相乗効果を出し、観ているもののテンションは上がる一方。「全部出し切ってないやつは全部出して!」と投げかけ、本編ラストは「生命のワルツ」を披露。映画のオープニングのような切ない西欧風の伴奏から一転して、叙情的なメロディとハードなロックサウンドへ。弾丸を打ちこまれたような衝撃を受けながらも、あっという間に10曲を駆け抜け本編を終了した。

 一体感のあるオーディエンスの手拍子に呼び戻されるように、再びステージにメンバーが登場。武田を抜きで4人で「Talking Machine」を披露。1、2、3、4のオーディエンスも巻き込んだカウントから「踊れ〜!」と菅原が煽り、オーディエンスもアクセントに合わせ「Oi!Oi!」と盛り上がる。リミットが外れたかのような4人による凄まじい演奏で、ボルテージは最高潮に。ライブの終了後にはスクリーンに来春に7枚目のオリジナルアルバムをリリースすることを発表。歓喜に満ちたなか、ツアーの幕は閉じた。

 滝の手の不調という過酷な条件のなかでおこなわれたツアーは、メンバーにとっても忘れられないものとなっただろう。そんななかで発表された来年のニューアルバムはどのようなサウンドの幅を見せてくれるのか、今から期待が止まない。滝の完全復活を願うばかりだ。(取材・村上順一)

セットリスト

『TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”』
11月5日 豊洲PIT

GRAPEVINE
1.FLY
2.EVIL EYE
3.1977
4.スレドニ・ヴァシュター
5.MISOGI
6.CORE
7.風の歌

9mm Parabellum Bullet
01.太陽が欲しいだけ
02.Discommunication
03.モーニングベル
04.インフェルノ
05.ロンリーボーイ
06.スタンドバイミー
07.反逆のマーチ
08.Lost!!
09.The Revolutionary
10.生命のワルツ
ENCORE
11.Talking Machine