■初披露となる隠れた名曲

ステージでの常田真太郎

ステージでの常田真太郎

 大橋は「作詞、作曲全部2人でやっていて、プロデューサーもいないですし。その時に身の丈にあった、等身大の曲を作ろうと心がけています。曲ができて、皆さんに送り届けられて、コンサートで僕らも歌っていくときに、作った時には、思ってもみなかったような新しい何か意味合いを持ったように感じるときがあります。それは曲がひとりでに皆さんの中でどんどん大きくなって、自分がその曲を歌う時に、曲から何かを自分が教わっているようなそんな気持ちになるときがあります」と語り、そんな観客と一緒に育ったように感じる曲だという「ハナツ」を披露。

 バンドの迫力ある演奏と、大橋の伸びのある歌声に観客は最後まで聴き入っていた。最後に大橋は「ありがとうございました、スキマスイッチでした」と手を振り、2人はステージを去り、本編は終わった。

伸びのある歌声を披露した大橋卓弥

伸びのある歌声を披露した大橋卓弥

 メンバーを送った歓声と拍手はアンコールを求める手拍子へと変わった。そして、ステージにメトロブルーのツアーTシャツに着替えた2人とバンドメンバーが再登場し、観客から歓声が上がった。

 アンコールでは、大橋が「2人で曲を作るとき、全くゼロから作るやり方とか、それぞれがたたき台を持ち寄ってブラッシュアップするやり方とか色々あるんですが、敢えて連名表記しているのは、その過程も想像する楽しみになると思っていて。次の曲について言ってしまえば、シンタ(常田真太郎)ワールド全開の曲です」と紹介し、このツアーで初演奏となった「電話キ」を披露。

 電子音のフューチャーされたアンビエントな楽曲で、常田も1フレーズだが囁くように優しい歌声を披露した。続く「デザイナーズマンション」では楽器隊それぞれのソロ回しで観客を盛り立て、大橋は「ツアーをやって行く中で、またやりたいことが増えていきます。色んな形、姿のスキマスイッチを見せていきたいと思います」とこれから更に進化していく抱負を語り、「サウンドオブ」でこの日の公演を締めた。

 結成から17年を経てベテランの域に達している彼らが今、敢えてそのルーティンを外れて楽曲をリアレンジして、ライブでその違う曲の表情を観客に伝えるという意味を考えさせられた一夜だった。そして、その意味は受け取る観客によって様々に変化し、また違う曲の表情を生み出していくのではないだろうか。いずれにしても、このツアーを通して彼らの作り上げるこれからの楽曲、そしてそれを受け取ったファンによりさらに大きくなる楽曲が、より素晴らしいものになるのは間違いないだろう。(取材・松尾模糊)