音色に欲情が増していく白波多カミン with Placebo Foxes(撮影・熊谷直子)

音色に欲情が増していく白波多カミン with Placebo Foxes(撮影・熊谷直子)

 【ライブレポート】白波多カミン with Placebo Foxesが19日、東京・渋谷のTSUTAYA O-NESTで自主企画ライヴ『白波多カミン with Placebo Foxes presents「涅槃 vol.4」』を開催。メジャーデビューアルバム「空席のサーカス」を3月23日にドロップ予定の彼女たちの渾身のライヴを以下の通りにレポートする。

 この日は、ハードコア・ポップ・バンドのTADZIOも出演した。ドラムとギターのデュオ編成のガールズバンド。ギターをギターアンプとベースアンプに接続して鳴らす、ノイジーでラウドなサウンドが特長的で、ロックが9割5分くらいベースとなっていながらも「YO!」というシャウトする姿や、この日に合わせて作ったという「白波多カミン知ってるカミン」というリリックを持つ曲にもヒップホップ成分を感じた。

白波多カミン with Placebo Foxes

撮影・熊谷直子

撮影・熊谷直子

 そしてカミンの出番を前にフロアのオーディエンスの数がさらに増していく。いよいよライヴがスタート。「楽器の音確認から退場して入場」という儀礼的なことはすっ飛ばし、サウンドチェック後唐突に演奏が始まった。

 聴かせる曲「すきだよ」で幕を開ける。少し大人っぽいロングワンピースの一番上までボタンを閉めているが、相変わらずあどけなさの残る声で僕らを突き刺すカミン。バンド陣は緊張など微塵もない様子で、余裕と落ち着きを感じる演奏だ。ギターの空間系とアームを組み合わせた音色からサビへと飛び込む。非常にぐっときた。

 「ありがとう」とつぶやいてから「姉弟」へ。この声と歌詞のギャップがマイナー/メジャーでは括りえない第3の印象を作る。ずるい声である。ギターを弾かないAメロでは身振り手振りで訴えかけてくるカミン。アウトロのギターソロも強烈でぐいぐいと掻き鳴らして盛り上げていった。

 対バンのTADZIOについて「カッコ良かったから嬉しいけど負けてらんない」と訛り混じりにさっとMCをしてから「おかえり。」を演奏。2つ綴りのリズムから半分の早さになるBメロが印象的。「わたしはあなたのなんなのだろう」という歌詞をリフレインしてから最後のロングトーンが少しぶら下がったピッチで伸びていく。それがなんとも言えない切なさを演出していた。

記事タグ