圧巻の歌唱力と歌の説得力でファンの心を掴んでいるNakamuraEmi

圧巻の歌唱力と歌の説得力でファンの心を掴んでいるNakamuraEmi

 【インタビュー】 NakamuraEmiが1月20日発売のアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』でメジャーデビューする。33歳という遅めのデビューだが、所属事務所は杏子や山崎まさよし、元ちとせ、スキマスイッチ、秦 基博たち錚々たる実力派ミュージシャンが名を揃えるオーガスタ。彼女に寄せる業界の期待感も大きい。パワー溢れる圧倒的な歌唱力に、独特のグルーヴが絡み合う。偶然に聴いたヒップホップの歌詞に心を奪われ、多種多様な要素を持つ音楽スタイルに昇華、ジャンルに捕われない唯一無二の個性を放つ。自身への応援歌だという彼女の歌詞へのこだわりは今や“心の代弁者”として支持を集める。今回はインディーズ時代から掲げてきた『NIPPONNO ONNAWO UTAU』というテーマが持つ本質、現在のスタイルを確立した経緯からこれまでの歩み、本作への想いを聞いた。(取材・村上順一)

世界観を変えたヒップホップ

取材に応えるNakamuraEmi

取材に応えるNakamuraEmi

――初めて音を聴いた時、独特のリズム感で歌われる方という印象を持ちました。このスタイルになった経緯は?

 最初はJ-Popのトップ10に入るような曲しか全然知らなくて、30歳手前でたまたまHipHopを聴く機会があったんです。そこで初めてリリックを聴いて。HipHopにはチャラいイメージがあったんですけど、こんなに世の中のことを考えて真剣に歌っている人がいたんだということに本当にびっくりして。そこで一気に自分の世界観が変わったのと、ずっと一緒にやってきているギターとドラムの方がJazz界の人だったので、Jazzのライブも観に行くようになったんです。Jazzのライブはその場の雰囲気でセッションするし、ライブはこういうものなんだなと分かったんですよ。すごいJazzとかHipHopに刺激をもらって曲を作ることが多くなりました。

――最初に聴いたHipHopのアーティストは?

 RHYMESTERさんですね。当時、付き合っていた彼氏がHipHopやDJをやっていて。私のほぼPopsしか入っていない音楽ソフトが壊れてしまって、たまたま私の携帯プレーヤーをその人の端末に繋げたら、HipHop満載の彼の音楽ソフトに勝手に同期をしてしまって(笑)。結局、それを聴かざるをえなくなってしまったんです。

――最初は仕方なくHipHopを聴いた?

 入り口はそうだったんですけど、オススメを聴いたり、ランダムに聴いていたら新しい世界に引き込まれていった感じですね。

――本名の中村絵美名義で活動されていた頃はJ-Pop系だった?

 当時は感動させたいと思いながら、歌っていたり書いていたりしたので雰囲気はバラードという感じですね。弾き語りをライブハウスでやっていたのがその頃です。

――楽器は何を弾いていた?

 ギターとピアノですね。初めはSNSで知り合った人にギターなどを弾いてもらっていました。けど、楽器が弾けないと、自分の曲ですら指示が出せなくて苦しいなと思ったので、これは楽器を練習して1人でやろうと。音がすごく好きだったのでギターを練習して。ピアノは昔に少しやっていたので。

――作曲もギターとピアノを使って?

 そうですね。昔はメロディから作ったりもしていたんですけど、今は詞が先で、詞が出来たらどんな曲にしようかなと考えて作るのが多いですね。ギターのコードとかは良く分からないんですけど、適当に押さえてこのコードいいなというのを3つくらいの動きとして作って、それをずっとループさせて歌うという感じですね。

――感覚で作っていくタイプなんですね

 その後にアレンジするギターのカワムラ(ヒロシ)さんは本当に大変だと思います(笑)。コードネームが分からないから紙に6本の線と自分が押さえているところを書いて渡しています。でも結局、カワムラさんが耳で音を拾って正しいコードにしてもらったりしています。あとは昔のHipHopをきいてこういうイメージの曲が作りたいと思うんですけど、私はパソコンで作ったりするタイプではないので「こういうのがいいです」とカワムラさんに伝えています。曲を完成系までに仕上げるのはカワムラさんが居てこそですね。

――カワムラさんはNakamuraEmiサウンドにとって重要な人なんですね。出会いは?

 当時、サポートしてもらっていたギタリストがいたんですけど、その方がカワムラさんの弟弟子さんだったんです。師匠が小沼ようすけさんでカワムラさんは一番弟子で。その方から「カワムラさんというすごい人がいるよ」と紹介して頂いたんです。最初に会った時は今弾いてもらっているような感じではなくて、なんか色っぽいギターというか、私には合わないなと思っていたんです。紹介してもらって「一緒にやってみたら?」と言われたんですけど、「う~ん、なんか違うからいいや」と思って(笑)。その弟弟子さんが出れないライブがあってカワムラさんに頼むことになったんです。それでどんな人か知ろうと思って2人で飲みに行ったんですよ。カワムラさんはHipHopなど色々と詳しくて、「あれ?この人意外と面白い」と思って(笑)。そこから「是非お願いします」となって。1回ライブで演奏してもらった時に、今まであったことがないタイプのギタリストで。音数を減らしてグルーヴを出して歌詞を聴かせるというスタイルだったので、その時に凄い人だなと感じてサポートをお願いしました。