テレビ番組での初歌唱が「MJ」だったフレデリック。緊張と笑顔の一部始終を追った

テレビ番組での初歌唱が「MJ」だったフレデリック。緊張と笑顔の一部始終を追った

 フレデリックが1月11日放送のNHK総合『MUSIC JAPAN』(月曜午前0時22分)に出演した。自身初のテレビ番組での歌唱。彼らの代名詞とも言える“中毒性のある楽曲”を印象付けさせた「オドループ」を披露した。ミュージックヴォイスではNHKホールで行われた番組収録に密着。フレデリックの“テレビデビュー”の舞台裏を追った。(取材/撮影・木村陽仁)

MJの収録現場。楽器セッティングの間、明かりは落とされていた

MJの収録現場。楽器セッティングの間、明かりは落とされていた

 収録は12月某日、NHKホールで行われた。初の全国ツアー中のフレデリックは中日(なかび)を利用して収録に臨んだ。「朝、新幹線に乗ってきました」。疲れも見せず赤頭隆児(G)は笑顔でこう答えた。メンバーは皆、人懐っこい。そして、陽気だ。この日は時折、緊張した表情をみせるもいつもと変わらなかった。午後8時15分に始まる本番収録に備えて、リハーサルや音合わせ、トーク収録に臨む。

 フレデリック―。同業のミュージシャンからも慕われる今注目のバンド。兵庫県で結成。2014年にメジャーデビュー。デビューアルバム『oddloop』のリード曲「オドループ」が彼らの快進撃の原動力となった。“中毒性のあるリズム”として人気を集め、YouTube上に公開したMVの再生数は瞬く間に100万回を超えた(2016年1月現在770万再生)。その影響を受けて、年末に行われたカウントダウンライブには入場規制がかかる程の観客を集めた。その後も“中毒性楽曲”を量産し続け、CDショップ大賞では近畿ブロック賞にも輝いた。2015年もコンスタントにリリースを行い、フェスやイベントにも多数出演、初の全国ワンマンツアーは全箇所ソールドアウトとなり、注目のニューカマーとしてその名を広げていった。

 この日収録した放送回は「NEW GENERATIONS」をテーマに、注目を集める新人バンドにスポットが当てられた。フレデリックはそのうちの1組。ほかにはBLUE ENCOUNT、Mrs. GREEN APPLEがいた。

音合わせから本番まで1日を追う

ステージ上部のスクリーンにはオドループのMV映像

ステージ上部のスクリーンにはオドループのMV映像

 午後2時。地下2階の大部屋の楽屋には既にフレデリックの姿があった。所々で笑い声が聞こえる賑やかな空間のなかで三原健司(Vo/G)はスタッフと談笑し、三原康司(B)は携帯電話にイヤフォンを差し込んで楽曲を聴いている。隆児は他の出演者との会話を楽しんでいた。

 ホールに繋がる通路は楽屋とは違い、多くアーティストやスタッフで溢れていた。ピリピリとした空気が漂う。収録現場のせわしなさと時間の制約のなかで良い番組を作ろうと真剣に向き合うスタッフの眼差しが強く印象に残る。その一方で出演者の多彩なスタイルに目を奪われた。子供が初めて遊園地に来たような、そんな緊張感とドキドキ感があった。

 ▽15時00分 楽屋を出て音合わせに向かう
 会場に入る通路は多くのアーティストやスタッフで入り乱れていた。緊張も高まる。ステージを映し出すテレビモニターには他のアーティストの音合わせの模様が流れていた。画面に食い入る健司。落ち着きなく辺りをウロウロとする隆児。1点をみつめる康司。健司は自身の心を落ち着かせようとリズムを取る。そして、発声練習を始める。持参したペットボトルの水はこの数分でだいぶ減った。

 ▽15時10分 番組スタッフの説明
 番組スタッフから説明と激励を受ける。「皆さんのパフォーマンスを楽しみにしています。ご自身のライブとは異なりアウェイ感もあろうかと思います。しかし、注目されている皆さんですので心配はしていません。思い切ってよろしくお願いします」。その後、ステージに繋がる袖の入り口まで案内される。備え付けの階段セットに立って「あーあー」と合唱団のまねごとをする健司。それを見て笑う康司。こうした他愛もない“彼ららしさ”も随所にみられた。

 ▽15時17分 ステージ袖に
 「フレデリックの皆さん、ステージ袖に」と案内され移動する。いくつものの巨大セットが並べられる程の広い袖だ。明かりは落とされ薄暗い。そのなかでミキサーの橙色と画面の明かりだけがろうそくの火のように薄く灯る。歩く度にギーギーとなる木製の床の鈍い音がまた緊張感を醸しだしていた。ステージを移すテレビモニターを見入る3人。アキレス腱を伸ばす健司。その後ろで足踏みしながら腕を伸ばす隆児。ほとんど会話はない。

 ▽15時21分 音合わせ
 「次はフレデリックさんです」とコールされ、ステージに移動する。康司は着ていた上着をスタッフに預ける。ステージを指揮する番組スタッフがマイクを通じて案内する。「それでは紹介させていただきます。フレデリックのみなさんです」。番組スタッフの拍手が起こる。「宜しくお願いします」と返答する健司の言葉はどこか固い。進行説明を受けてから音合わせが始まった。轟くオドループの音。青と赤の光を浴びる康司は笑顔。声に力が入る健司。表情を変えず奏でる隆児。

 ▽15時28分 音合わせ終了
 ホッとする間もなく、ごった返す通路をかき分けて楽屋に戻る。康司が「ありがとうございます」と預けていた上着をスタッフから受け取る。