<写真>品川で過去最大規模の単独公演を行ったさんみゅ~

品川で過去最大規模の単独公演を行ったさんみゅ~。更なる飛躍を感じさせるパフォーマンスだった

<ライブレポート>
 春の嵐―。勢いこそ嵐に近いものがあったが、彼女を取り巻く風は顔を優しく撫でるような爽快なものだった。サンミュージックの故・相澤秀禎会長が最後に手掛けたアイドルグループ・さんみゅ~。過去最大規模の単独公演『さんみゅ~ LIVE 2014 SUN&YOU -春の嵐-』が12日、東京・品川ステラボールで行われた。昨年から定期ライブを開催している彼女たちだが、収容数千人を超える会場で行う単独公演は今回が初めて。更なる飛躍をするためにも重要な1日だった。春の嵐の如く旋風を起こすことができたのか、この日行われた2公演のうち午後6時に開始した夜の部をレポートする。

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 2つのエプロンが観客席に突き出したコの字型のステージ。それを囲むようにタオルを片手にしたファンがいまかと彼女らの登場を待つ。20歳代の男性が多くを占めるなか、ところどころに女性の姿も。その眼差しは憧れの人を待つかのようだった。

 時針が午後6時を指したときそれは始まった。会場全体を包み込むようにテーマソングが流れ、両脇に水色のラインが入った白いワンピース姿の8人が登場。「皆さん、最高の時間にしましょう!!」と促すと、挨拶代りに『Live a Live!~愛があれば大丈夫~』を披露。フレッシュなパフォーマンスで会場に風を送ると間髪入れずに『目覚めよ!乙女』『Secret Blue Memories』を熱唱した。

 3曲を歌い終えたところで改めて挨拶。「今まで練習してきたことが今日で終わるのが寂しい」と感無量の表情。それぞれのメンバーが自己紹介と、このライブに賭ける抱負を語ると、木下綾菜が「早速、春の嵐を起こしますか!!」と号令をかけ4曲目『夢は生きている』を披露。そのまま『月夜のI love you』を茶目っ気たっぷりに歌い上げた。

品川で自身初の大規模ライブを成功させたさんみゅ~

品川で自身初の大規模ライブを成功させたさんみゅ~

 この日のライブでは5、6曲目、9、10曲目を挟んで『ご当地ソング選手権』が行われた。これは、メンバーがそれぞれの出身地であるご当地ソングを歌い郷土愛を競うもの。会場の盛り上がり具合をスタッフが採点し最も盛り上がったメンバーには、出身地のご当地PR親善大使への立候補(売り込み)権が与えられる。

 トップバッターで登場した大阪出身の西園みすずは『大阪で生まれた女』を熱唱。8人それぞれがユーモラスに独特の表現で郷土愛を見せつけたなか、歌のお姉さんに扮して『大きな栗の木の下で』を歌った木下綾菜がその権利を勝ち取った。各メンバーの内容は後述の通り。

 6曲目の『僕らのルネサンス』をしっかりと歌い上げ、その後は岡田有希子の『くちびるNetwork』、水越恵子『ほほにキスして』と往年のヒットナンバーをカバー。妖精のようにステージを駆け巡り、ファン1人1人の目をしっかりと捉え思いを伝えた。9曲目ではさんみゅ~初のオリジナルシングル『これが愛なんだ』を披露。木下の“キャラメルボイス”や京極友香の“キレキレダンス”が光った。

 2回目のご当地ソング選手権を挟んで後半戦に突入。ジャケットを羽織り再登場した彼女らは、多彩に光るスポットライトを浴びながら激しいダンスで『駆け抜けろ!青春』『Thank you for the music』をパフォーマンス。「いよいよラストスパート。みんなの声を聞かせてください!最後まで盛り上がっていきましょう!!」と『そっと、ぎゅっと、もっと、ずっと』『みんなの太陽』『大好きだ 何度でも~夢のしっぽ~』を歌い切り、最高潮のまま本編は終了した。

 アンコールの呼び掛けに答え再登場した8人は「ありがとう」と感謝の言葉を述べて新曲『春が来て僕たちはまた少し大人になる』を熱唱。歌い終えたあと、メンバーそれぞれが「この日を迎えられ幸せだった。もっと上を目指したい」と感想を語ると、サプライズとして7月2日に通算6枚目のシングル、8月6日に初のアルバムを発売することを発表した。「今年1年突き進んでいきたい」と意気揚々に宣言して、『夏祭り』『前にススメ!』を激しく妖艶に歌い上げて幕を閉じた。

 クールなダンスパフォーマンスのなかにも、頬を膨らませるなど女の子っぽい仕草を取り入れ、1つ1つに愛くるしさが滲み出ていた。一人一人のファンを確かめるように手を振り続けるその姿はファンと会話しているようにもみえ、アイドルとファンの垣根を超えた友情らしきものさえ見えた。終幕、頭を膝の高さまで下げて最後の最後まで感謝の言葉と手を振り続けていた8人。フレッシュな春の風に吹かれ、アイドルシーンの頂点を目指し舞い上がっていく。(取材・木村陽仁)

<ご当地ソング選手権>
 ◆大阪出身・西園みすず『大阪で生まれた女』 黒色のTシャツにジーパン、そしてアコースティックギター。歌い終え「最高!」と満足した様子も、ギターが弾けなかったことをツッコまれる。

 ◆新潟出身・長谷川怜華『おこめ天国』(おさかな天国替え歌) 頭におにぎりの被り物にエプロン姿で登場し魚沼など産地米をアピール。「本当に愛している」と郷土愛を見せつけた。

 ◆兵庫出身・山内遥『歌なし』 旧オリックスのユニフォーム姿でイチローの振り子打法を右打ちでモノマネ。最後に客席に球を打ち込もうとするも空振り。楽曲は歌わずメンバーに叱られる。

 ◆大阪出身・京極友香『Porker Face』 Lady GaGaに扮して激しいダンスを披露。クオリティの高さに会場からは歓声も。ただ、マイクを持参していないことから「何してくれてんねん」とツッコミを入れられる。

 ◆奈良出身・小林弥生『Porker Face』 Lady GaGaならぬレディー画家に扮してスプレーアートに挑戦。奈良名物の鹿の絵を描くも、メンバーに理解されず「出禁や!」と叱責受ける。

 ◆大阪出身・野田真実『魔法使いマミー』(魔法使いサリー替え歌) サリーのコスプレにほうきにまたがり登場。「可愛い」と歓声。メンバーの質問には「テクマクマヤコン」と答えるのみ。ただ、それがひみつのアッコちゃんの台詞と分かり足早に退場。

 ◆埼玉出身・木下綾菜『大きな栗の木の下で』 歌のお姉さんに扮し、ファンに「よい子のみんな元気よく歌ってね」と呼びかけ、メンバーも巻き込んで合唱させる。「次来るときまでによい子でいてくれるかな」に大歓声。

 ◆鹿児島出身・新原聖生『Everything』 MISIAの代表曲を熱唱。高い歌唱力に会場は酔い浸るも、メンバーからは「ただ歌いたいだけやろ」「あんなだけ声が出たら気持ちいやろ」とツッコミ。