別人に作曲を依頼していた問題で、当事者の佐村河内守氏(50)が7日、都内のホテルで会見を開き、騒動後初の公の場で謝罪の言葉を述べた。沢山のフラッシュとシャッター音を浴びて登場した佐村河内氏は、長い髪を短く切り、そして髭も剃り、眼鏡を外した別人とも思わせる姿だった。会見席を前に立ったまま「私の嘘で…」と述べ、謝罪の言葉を繰り返した。

 全ろうの作曲家から「現代のベートーベン」とも称された。しかし、一連の騒動で「3年前から聞こえるようにまでに回復していた」ことが発覚した。障害者手帳を公布した横浜市は氏同席のもとで再検査を行った。佐村河内氏は「感音性難聴」ではあるものの「聴力障害」には該当しないことから「障害者手帳を返納しました」と説明。ただ、「これまで一度も障害者年金は一度も受け取っていません」と付け加えた。

 聴力については、健常者と同等に聞こえていると誤解を招いてしまったとし「音声は歪んでしまい、会話が聞き取れないことが殆どで、取材や撮影などでは手話通訳をしていることに嘘偽りはありません」と語った。

 更に「今の私には信用というものがないと思います。しかしながら、この会見では天地神明に誓って嘘偽りのない話をします。テレビ出演についてはこれをもって最後にします」とも語った。

なぜこのタイミングで暴露にしたのか…新垣氏に疑念

 また、作曲を代行依頼した新垣隆氏への批判も展開した。まず、佐村河内氏自身が以前からプロとして音楽活動を行っていたやっていたことを前置きしたうえで「子供の時から音楽が好きでクラシック音楽も好んで聞いていた。日本では70年にも渡る現代音楽に対して肯定的ではありません。昔の中世音楽の復権が一番と考え、時代が変われば良いと思っていた」との思いを語ってから、「時代は変わらないとしても誰かがこの曲に気づき、拾ってくれれば良いと思い、数百万円を払って新垣氏に依頼した」と経緯を説明した。

 曲作りについては「私が全体と内部の事細かな設計図を書いて新垣氏に音符を書いてもらって作ったのが交響曲第一番です」とし、新垣氏との関係については謝罪文にも書かれていた通りの「2人だけの秘密であった」と説明してから「私が疑問に思うのは、新垣氏は師匠にもバレることを恐れていたのに、なぜこのタイミングで暴露にしたのか。私が言える立場ではないのですが疑問に思いました」と疑念を抱いていることを明かした。

 その例に「ギャラ」を挙げ「新垣氏はこんなことや止めにしましょうと何度も言ったとある手記に書いてあったが嘘です。一度も言ったことはない」と強い口調で否定した。そのほかにも今回の件を報じた週刊誌の記事コピーを持参して「事実無根である箇所に蛍光ペンを塗ってあります」と現物を公開した。そこには何カ所にも塗られていた蛍光色が目立っていた。