カメレオ

日本青年館で2周年記念ワンマンライブを行ったカメレオ。終盤、HIKARU.は「一緒にこのバンドを育てていってください!」とファンに訴えた(撮影・江隈麗志)

 「もう僕たちだけのバンドじゃないんだなって思います」。カメレオが1月11日、東京都新宿区の日本青年館で「カメレオ2周年2Days記念ライブ「めちゃ×2みなさんのおかげでした!〜記念祭〜」』を行った。

 初日の「〜始動日〜」は、彼らがカメレオとして初めてステージに立った池袋BlackHoleにて開催。超満員のオーディンス達と熱狂的な空間を作り上げた。

 そして2日目。発表当初は「日本青年館のチケットを売り切ることは難しいんじゃないか?」と、メンバー一同不安そうにしていたが、見事ソールドアウト。ベストな状況で、彼らにとって初のホール公演に挑んだ。

 2年目の活動を振り返るダイジェスト映像と、ファンへの感謝や今日の意気込みを語ったコメントが斜幕に映し出された後、SEがスタート。

 ゆっくりと幕が開いていき、照明がド派手に瞬き始める。徐々に客席のテンションが高まっていく中、SEが突如「↑アゲていこう歌↑」のイントロに切り替わり、HIKARU(Vo.)がひとりでステージに登場。客席から大歓声が上がる中、コール&レスポンスを始める。

 大音量の声のやり取りが繰り返される中、Takashi(Gt.)とKouichi(Ba.)が下手から、Takeshi(Dr.)とDaisuke(Gt.)が上手から登場。そして歌に入った瞬間、メンバー全員が一斉に客席へ突入。オーディエンスのテンションを一気にブチ上げる。

 熱狂が渦巻くフロアで、メンバーと観客が一緒になって踊り狂う状況は、変幻自在で予測不能な彼ららしい幕開けだった。

 また、中盤では「メンバーソロデスマッチ」を決行。これは、最新ミニアルバム『5/5』に収録されている、各メンバーが作詞・作曲、さらにはボーカルまでも務めた楽曲を披露するというもの。しかも、メンバーは演奏せずに、サポートバンドを入れて完全にソロの状態で行なうという、Takeshi曰く「無謀なコーナー(笑)」だ。

 コーナーが始まる前に、プロレスの楽屋中継を模した映像が流されたのだが、“ボーカルが他のメンバーに負けたらどうしますか?”というレポーター(カメレオマネージャー)の質問に「やる前から負けること考えるやつがいるかよ!」と、アントニオ猪木の名セリフをHIKARU.が再現。

 他にも「あんな奴のパンチなんか食らうかよ!」と若干勘違いしながら昂っているものの、レポーターのパンチを避けられず顔面をグーパンされるTakeshi、謎の外国人レスラーに扮して、デタラメな言葉でひたすら捲し立てたるDaisuke、Twitterのフォロワーが増えているマネージャーに対してキレながら詰め寄り、そのままキスをするという某トリオ芸人のお約束ネタをしたKouichi、そしてアントニオ猪木のモノマネをしながら延々ボケ倒しまくるTakashi(ボケを入れ込むところからして、正確にはモノマネ芸人・アントキの猪木の方か?)と、メンバー全員とにかくやりたい放題(笑)。

 ビジュアル系バンドらしからぬ、芸人根性剥き出しのショーマンシップを見せつけた。

 そんな爆笑映像を挟みつつ、「メンバーソロデスマッチ」がスタート。トップバッターのTakeshiは、ポップパンク系のアッパーチューン「スーパー☆ボーンズ」を披露。

 持ち前のスタミナをフルで発揮し、ステージ上を縦横無尽に飛び跳ねまくっていた。続いて登場したのは、エレクトロなダンスナンバー「嘘ばっかり」を歌ったTakashi。セクシーなダンサーを従えつつ、自らも華麗なダンスを披露。

 間奏ではバック転を鮮やかに決めるなど、ギタリストとは思えないパフォーマンスに客席は大興奮だった。

 アップテンポな曲が続く中、Kouichiは禁断の恋を綴ったミディアムバラード「不適切な関係」を熱唱。マイクスタンドを握りしめながら情感たっぷりに、持ち前の美声を響かせる。

 その余韻を一気にロックで激しい空気に塗り替えたのが、Daisukeの「カタルシス」。荒々しい叫び声で客席のオイコールを誘発し、徹底的にオーディエンスを煽り続けた。

 ラストはもちろんHIKARU.。四つ打ちのダンサブルなテクノポップ「(p´^`)σつんつん」を歌い上げる。

 途中でステージから降りて客席をダッシュする場面も飛び出しつつ、ボーカリストらしくバッチリと決め、メンバーとの格の違いを見せつけた。

 他にも内容盛りだくさんで、終始ハッピーな空気が会場内に満ちていたが、最後の曲に行く前にメンバーが一言ずつ、今の想いを話し始めた。

 自分達がたった2年でここまで来れるとは思っていなかったこと。昔は自分達だけで動いていたバンドだったが、多くの人が関わることでみんなのものになってきている実感があるということ。子供の頃に憧れていた理想のバンド像とは全く違うものになっているが、とにかく今が楽しいということ。これまでを噛み締めるように真剣な表情で客席に語りかける。

 5人はカメレオを結成する以前、同じメンバーで別名義のバンドとして活動していた過去がある。

 そのバンドはなかなか芽が出ず、バンド内の空気も徐々に険悪になり、最終的には解散してしまった。しかし、一度は諦めてしまったものの、悩んだ末に、やはりこの5人で夢を追うことを決め、再び走り始めたバンドがカメレオなのだ。

 そのときの想いや、未来への希望を歌った「5/5」が、この日のラストナンバーだった。ミラーボールが回り、花吹雪が舞う中で演奏をするメンバー達。目を涙で潤ませている者や、じっくりと客席を見渡している者、それぞれが感謝の想いを持ってオーディエンスに曲を届ける感動的なエンディングとなった。

 全曲終了後、「カメレオは他のロックバンドみたいに“俺達についてこい!”っていうバンドじゃないんです。俺らと一緒にこのバンドを育てていってください!」というHIKARU.の一言に、大きな拍手と歓声が送られ、約3時間に及んだ感謝祭は幕を降ろした。

 熱狂と感動で2年目を締め括ったカメレオは、この日、今後のスケジュールを発表した。まず、2月11日に高田馬場AREAで、“HIKARU.聖誕祭「けつアゴ★NIGHT」”を開催する。

 このライブは、HIKARU.本人には内緒で、メンバーが勝手に決定、「ニート姫」の曲中にサプライズで発表するという、全てが普通だったらありえないもの。

 驚きを隠せないHIKARU.に対し、「しっかり稼いでもらうから!」と言っていたリーダーKouichiの顔は、実に楽しそうだった。

 そして、4月2日には両A面シングル「♪ラララ♪/時給¥850」をリリース。それを引っ提げて、全国22カ所23公演を廻るロングツアー「会いにいくバンドマン」を行なうことも発表された。

 なお、初日の4月11日新宿BLAZE公演では「めちゃ×2みなさんのおかげでした!」の裏側を収録したドキュメントDVDが無料で配布される。

 更に、現在このツアーの連動企画を考案中とのこと。常に何をしでかすか分からない彼らなだけに、一体どんな企画になるのか気になるところだ。

 観た者全てをハッピーにするエンターテイメントを追求するカメレオ。3年目に突入し、その勢いはますます加速していくだろう。(文・山口哲生)