TM西川貴教、全国ツアーでこだわりを

全国ツアーで他に類を見ないこだわりの構成で魅せたT.M.Revolution

 デビュー15周年プロダクツの集大成として、2月に、リクエスト・セルフカバー・ベストアルバム『UNDER:COVER2』をリリースしたT.M.Revolution同作を引っさげて6月からスタートした全国ツアー「T.M.R.LIVE REVOLUTION’13 ―UNDER:COVER2―」が去る8月24日・25日に両国国技館(東京)でセミファイナルを迎えた。

 まず最初に伝えておきたいのは、本ツアーは西川貴教が掲げる「THE ONE」というテーマ、コンセプトに基づいて緻密に構成された内容であるということ。キューブ状のオブジェをはじめ白で統一されたステージセットに加え、極めて象徴的ともいえる演出の一つが、曲間に流れる「Preserved Roses」のミュージックビデオをベースにしたストーリー仕立ての映像。西川と奥田瑛二扮する男の対話が、ライブの展開のキーになるだけでなく、観客に“生きる意味”を問うメッセンジャーの役割を担う。そのため本編ではMCも一切なし。西川にとってトライアルなツアーだったことは間違いない。

 1曲目を飾ったのは、水樹奈々とのコラボ・シングル「Preserved Roses」。イントロが鳴り響き、真っ白な衣装を身にまとった西川が颯爽と登場すると、客席は早くも最高潮ともいえる盛り上がり。以降も、リクエスト投票で1位を獲得した「LEVEL4」、観客の大合唱も楽曲の一部となって響いた「蒼い霹靂」など『UNDER:COVER2』収録の楽曲たちが演奏される。セルフカバーとしてハードにアレンジされたサウンドは、時に観客の拳を突き上げさせ、時にヘドバンの波を生み出し、時に場内を歓声で満たす。まさに思考と肉体を刺激するステージが目の前で繰り広げられていた。

 中盤にミディアムなナンバー「O.L」「last resort」を挟み、ライブはいよいよ後半戦へ。黒い衣装に着替えた西川は、「Out Of Orbit~Triple ZERO~」「Zips」などアッパーな楽曲でさらにギアを上げ、キューブ状のセットに登ったり、激しいヘドバンをしたり、ステージを駆け回ってのアグレッシブなパフォーマンスで観客を興奮の坩堝(るつぼ)へと誘(いざな)っていく。そんな西川の気迫に応えるように客席のボルテージも増す中、艶かしい背中の筋肉美を披露した「LOVE SAVER」、ファンから根強い人気を誇る「Meteor ―ミーティア―」へと続き、そしてラストは壮大なオーケストラのトラックが印象的な「vestige ―ヴィスティージ―」で本編の幕は閉じた。

 西川は「命について考えた結果、自分と、この音楽を、これから先も真摯に、真剣に、ひたすらに届けていきたいと思った」と今ツアーに込めた並々ならぬ決意も吐露。視覚だけでなく、思考にも積極的にアプローチしていく構成の今ツアーは、もしかしたら西川にとってだけでなく、観客にとってもチャレンジの場だったかもしれない。しかし、終演後、会場を後にするファンの口から聞かれたのは「これこそ西川くんのライブ!」という賞賛の声。ファンならずとも一度は目にしてほしい『T.M.R. LIVE REVOLUTION’13 ―UNDER:COVER2―』の模様は、10月20日午後9時よりWOWOWライブにて放送される。