ラルク 12月4日、L’Arc~en~Cielの「20th L’Anniversary TOUR」、京セラドーム大阪の2日目。9月10日のさいたまスーパーアリーナからスタートしたツアーも、この日でファイナルを迎える。なお、このライヴの模様は日本全国および、香港、台湾、韓国の映画館でも完全同時生中継された。
 オープニングナンバーは、「Fare Well」。hydeのアカペラから幕を開けたこの曲は、一日目同様、やはりストリングスアレンジが施されている。このツアーで大きな見せ場のひとつとなった生ストリングスの導入は、メンバーと演出家(紀里谷和明氏)のアイデアによるもの。「CHASE」オフィシャルインタビュー時のhydeの言葉を引用すれば、「オーケストラの上に立ちたいって案があったら、そうするには、どういうメニューがいいか、じゃあこの曲を入れてみよう、みたいな。逆の発想から考えていって組み立てた感じですね」とのこと。結果、ストリングスを入れることによる楽曲のライヴアレンジが施された楽曲もある。一日目に演奏された「花葬」などはその最たる例。kenの弾くエレガット、tetsuyaのフレットレスベースによる演奏は、これまでの楽曲の印象が、より生々しく、より繊細で儚げに表現されていた。
 「昨日もここでやったんですけど、めっちゃ楽しいですわ。最高最高」とhydeの第一声。続いて「今日はね、いろんなところの映画館で観てる人もいるんですよ。日本中とアジア中に流れてるんで。アンニョハセヨ、ニイハオ。ここは広いけど、隅っこまでかわいがってやるからよ。映画館のみんなもかわいがってやるから。一緒に行こうぜ! ファイナルなんで悔いを残さないように」とのMCに場内からの大声援が湧き起こった。
 「flower」「DRINK IT DOWN」といった一日目には演奏されなかった曲に続いて、この日は初期のナンバーから「Dune」「ガラス玉」が披露された。ステージ前半の「HEAVEN’S DRIVE」のような壮絶なドライヴ感を持つナンバーと、感動の嵐として昇華した「forbidden lover」に挟まれた初期ナンバーには、バンド間の信頼を強固にして、サウンド面でも一段とそのクオリティを上げたL’Arc~en~Cielの今が詰め込まれているように思えるほど、深みを増して胸に届く。
 赤いサーチライトが場内を照らした「REVELATION」の導入となるコール&レスポンス。ここでは一日目同様のドーム公演らしい演出が。下手からtetsuya、上手からyukihiroに続いてkenが、カートに乗ってスモークをまき散らしながらアリーナ外周を移動する。ステージに3人が上がると演奏がスタート。火柱が上がるとアリーナには今度は輿に乗ったhydeが登場。客席はこの曲中、騒然となる興奮状態。
 「REVELATION」で場内の熱気を上げたステージ後半戦は、まさに怒濤。「Driver’s High」のスピード感と、tetsuyaのベースソロから一気にレッドゾーンへと突入する「STAY AWAY」で、この夜のテンションも最高潮に達した。“Are you fuck’n ready?”というhydeの言葉を合図に突進力の高いイントロが鳴り響き、エンディングではyukihiroによるドラムソロが狂おしいまでに轟音を放っていった。興奮冷めやらぬ会場の声援に応えて、長いインターバルの後に登場したメンバーは、それまでの熱気を引き継ぐような激しいナンバーではなく、アコースティックアレンジされた「Anemone」だった。前述したように、このアレンジは生のストリングスを導入したこのツアーならではの貴重なものだ。
 この日の演奏面でのハイライトは新曲「CHASE」だったと言っても過言ではないだろう。一日目のMCでhydeが、「yukihiroさんが持っている車の中の一台が凄い速いんですけど。たまに命がけで走っているらしいです。「CHASE」という曲はそういうイメージ」と紹介されたこの新曲のドライヴ感が素晴らしい。ギター、ベース、シーケンスが渾然一体となった重量級のヘヴィなイントロリフは、ライヴならではのグルーヴを得て、実にスリリングなロックナンバーだった。
 「最近ちょっと歌うのが楽しいから、気持ちいいです。新曲「CHASE」をやりましたけど、そろそろアルバムができそうな雰囲気です」とhyde。さらに「今日ここでツアーファイナルを迎えるのは感慨深いですね。ここから始まってこの20年、雨降ったり、嵐が来たりありましたけど、ここまでこれたのはホントにみんなのおかげだと思います。20年一緒にきてくれてありがとう。ふつつかなバンドですけど、これからも良い曲作っていくので、楽しみにしていてください。それでは最後の曲を聴いてください」
 足掛け4カ月間にわたって行われた大規模ツアー“20th L’Anniversary TOUR”のエンディングを飾るナンバーは、「虹」。38,000人の京セラドーム、そして15,000人を動員した各地のライヴビューイングに向けて、「歩き出したその瞳へ 終わらない未来を捧げよう」という最後のリリックが響き渡る。明るくなった会場、その歩みを祝福する歓声が鳴り止まず、その声はやがて驚喜へと変わる。LEDに映し出されたのは、L’Arc~en~Ciel、今後の活動予定だ。
 まず、ニューアルバムがまもなく完成する。メンバーによるマスタリング音源最終チェック現場の模様が、なんとUSTREAMによって生中継されることが決定した。中継日時は2011年12月26日。同年12月21日にリリースされるニューシングル「CHASE」封入チラシに、そのアクセス方法が記されている。アルバムといえば、P’UNK~EN~CIELの1stアルバムも完成! 2004年にスタートしたL’Arc~en~Cielのパートチェンジバンドが、まさに待望のアルバムリリース。タイトルは『P’UNK IS NOT DEAD』だ。
 さらには、“L’Arc~en~Ciel WORLD TOUR 2012”は現在のところ、香港、バンコク、上海、台北、ニューヨーク、ロンドン、パリの7公演が発表されているが、そのファイナルとして日本公演も決定した。2012年5月、東京と大阪で開催される。
 “20th L’Anniversary TOUR”が終了したばかりだが、“20th L’Anniversary”はまだまだ続く。今後さらに加速度を増していくL’Arc~en~Cielから目を離すことができない。
 紀里谷和明氏(ライヴ演出)コメント「L’Arc~en~Ciel は演出の必要性がないバンドです。彼らの音楽はそれだけで映像的であり、どんな演出家の力をも凌駕する世界が完璧に構築されています。そんな彼らの二十歳の誕生日に演出の贈り物をするつもりが、逆にこちらが沢山のプレゼントをもらってしまいました。これからの20年も頑張ってください」