安全地帯 昨年、電撃的な復活を遂げた安全地帯が17日、南足柄市文化会館で全29本の全国ツアーをスタートさせた。
 1曲目に演奏したのは意外にも安全地帯の曲ではなく、玉置浩二さんのソロ曲「田園」。この意表をついたオープニングに、集まったファン総立ちし冒頭からヒートアップ状態。オーディエンスの熱いリアクションに応えるかのように、玉置さんやメンバーの演奏もノリに乗り。1年振りのライブを心から楽しんでいる様子がストレートに伝わってくる。
 中盤の「安全地帯VII (1990)」の収録曲「プラトニック > DANCE」では玉置さんがドラムセットに座り、田中裕二さんと共にツイン・ドラムを披露。まるで、バンドを始めたばかりの中学生のように、ドラムを叩きながら歌う姿は実に楽しそう。
 この日は先日リリースされた12枚目のオリジナル・アルバム「安全地帯XII」の楽曲を中心に、「悲しみにさよなら」「好きさ」「じれったい」等のヒット曲に加え、玉置さんのソロからも数曲披露された。彼のソロ・ナンバーを安全地帯として演奏されるのはこれが初めて。ファースト・ソロ曲「ALL I DO(1987)」も演奏され往年のファンを多いに湧かせる。
 コンサートのハイライトは「燃えつきるまで(安全地帯V・1986)」と「蒼いバラ(安全地帯XI ・2010)」のミディアム・ナンバー。矢萩渉さんの弾く太い“剛”のギターと、武沢侑昴さんの奏でる繊細な”柔”のギターに、妖艶な玉置さんのボーカルがねっとりと絡んで三位一体となった様は実にスリリングで官能的。メンバー全員が50歳を超えて醸し出す事が出来る大人の男の色気だ。まさに安全地帯しか出せない、彼らの真骨頂とも言うべきサウンドだ。
 地を這うような重厚なリズム隊に、剛と柔のツインギター、ソウルフルなボーカル。誤解を恐れずに言うなら、現在の安全地帯のサウンドはファンク・ミュージックだ。ここにブラスが入った編成を見てみたいものだ。特筆すべきは玉置の圧倒的な声量と巧さで、昨年のツアーより確実に進化している。53歳にして尚も進化し続ける。
 ワイドショー等の芸能報道の影響もあって色眼鏡で見られがちの安全地帯だが、音楽はホンモノ。素晴らしいパフォーマンスに唸らされる事間違いない。安全地帯の全国ツアーは、この後9月22日と23日の東京国際フォーラム公演を経て、12月18日の旭川まで全29本の公演が行われる。