アーバンギャルド 10日・11日の2日間に渡って、「トラウマテクノポップ」を掲げるアーバンギャルドの主催イベント「アーバンギャルドの鬱フェス!」が渋谷club asiaで開催され、超満員の1200人を動員した。盛り上がる「夏フェス」に対抗して、盛り下がる「鬱フェス」を開催したそうだが、実際には両日ともにゲストを迎えて大いに盛り上がることになり、会場は鬱状態というより躁状態となった。
 10日にFLOPPYでも活動する小林写楽が率いるGalapagosSを迎えたのに続き、11日には元ピチカート・ファイヴの野宮真貴のソロ・ユニット「LOOKER」が登場。ゴージャスな黒のドレスを着た野宮真貴は、堂々たるダンス・エレクトロを歌い、Kissの「I Was Made For Loving You」のカヴァーも披露。フライングVのエレキ・ギターまで演奏した。
 女王のオーラすら漂わせる野宮真貴に対して、渋谷系の直系を公言するアーバンギャルドはどう出るのか? そんな心配をよそに、アーバンギャルドは前日とは1曲しかかぶらない「攻め」のセットリスト。冒頭の「水玉病」から、水玉柄の旗をファンが振る会場に、大量のシャボン玉が乱れ飛ぶ光景となった。美しさとともに可憐な少女性も持つ浜崎容子と、舌をはじめとして全身の動きがなまめかしい松永天馬によるツイン・ヴォーカル。ギターの瀬々信、キーボードの谷地村啓、ドラムの鍵山喬一の生演奏により、テクノポップの枠組にとどまらないフィジカルな演奏を繰り広げた。
 恒例のコール&レスポンスでは「セックスはお好きですか?!」という松永天馬の問いかけに、フロアから「大好きでーす!」という絶叫が。浜崎容子が人形の中から出した羽毛をまきちらし、松永天馬がコンドームを投げるなどのパフォーマンスも展開された。
 そしてアンコールでは、アーバンギャルドと野宮真貴とのセッションで、ピチカート・ファイヴの「ベイビィ・ポータブル・ロック」を演奏。野宮真貴はこの楽曲を十数年ぶりにライヴで歌ったという。アーバンギャルドが野宮真貴との共演によって、自らのルーツへ回帰した記念すべき瞬間でもあった。
 「鬱フェス」を成功させたアーバンギャルドは、9月28日には80~90年代テイストを大胆に取り入れた新曲「ときめきに死す」をリリース。そして11月19日、20日にはワンマンライヴ「アーバンギャルドのディストピア2011」を東京キネマ倶楽部で開催することを発表した。暑くて憂鬱な夏が終わっても、アーバンギャルドと過ごす季節はまだまだ続きそうだ。