<写真>O-WESTで09年の幕開けを飾ったREAL REACH(2009年1月10日)

O-WESTで09年の幕開けを飾ったREAL REACH。何度も感謝の言葉を口にした

<ライブレポート:東京・O-WEST単独公演>
 「ほんまにありがとう」この日メンバーが何度も口にした言葉に胸が熱くなった。

 大阪出身のロック・バンド、REAL REACHのワンマンライブが1月10日、東京・渋谷O-WESTで行われた。ステージのスクリーンに「あけましておめでとう!」とメンバーの姿が映し出されると、今か今かと開演のときを待ちわびていたオーディエンスは大興奮。メンバーのデビュー時の写真や友人バンドであるムラマサ☆とbanbiからの激励ビデオ・レター、ギターの政雄によるジョニー・デップの爆笑アテレコ映像が公開され、会場はリラックスムードに包まれる。ツカミはバッチリだ。

 赤く染まるステージ。鳴り響くサイレン。ゆっくりとスクリーンが上がり、“楽しんでってちょうだいな”と書かれたバックドロップが現れる。軽快なSEに切り替わると、オーディエンスの手拍子に迎えられたメンバーが颯爽と登場。「大阪なにわのエンターテイナーREAL REACH!がむしゃらに楽しんで行こうぜ!」と政雄が叫び、『COOL BOARDER』からライブスタート。ステージに押し寄せる波はしょっぱなからすさまじく、人が人の上を泳いでいく。「久しぶりの曲をやりたいと思います」と始まったのは悠-sukeの弾ける8ビートが心地よいストレートなロック・ナンバー『R.O.M』。ysが拳を高らかにあげ、政雄とアイコンタクト。また、「歌えるか東京!」とYo-sukeが煽ると、オーディエンスの元気な歌声が響き渡る。『Cute the POP love gate』ではトリプル・ボーカルというバンドの持ち味を活かすようにめまぐるしくメイン・ボーカルがチェンジ。駆け抜けるような疾走感に自然と体が動く。もはや3人で歌っているというよりも、“REAL REACH”という1人のボーカルのようだ。

 悠-sukeの「新年あけましておいっすー!」というおなじみの挨拶をはさむと、『日々上々』へ。センターのYo-sukeと下手のysがポジションを入れ替わり、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。思い思いに楽しむオーディエンスも、突き上げる拳の息はぴったりで、一体感を見せていく。

<写真>O-WESTで09年の幕開けを飾ったREAL REACH2(2009年1月10日)

O-WESTで09年の幕開けを飾ったREAL REACH

 2度目のMCでは、バックドロップを「めっちゃカッコいい」と政雄が大絶賛。4年前のライブでこのO-WESTのステージに立ち「日本武道館やー!」と思ったという彼。そんな思い入れのある場所に自分たちのバンド名を飾るのは、やはり感慨深いものがあるのかもしれない。「夢を叶えにいこうぜ!」新曲の『WINNING ROAD』は、前向きな願いが込められている日本語詞が印象的であった。ファンのために、そして自分たちのために。ひとつの夢をみんなで追いかけて行こう、そんな想いがのぞく。続くミディアム・ナンバー『涙』はYo-sukeが顔をくしゃくしゃにしながら感情を込めて歌う。少年のようにまっすぐで素直な彼の歌声に、会場は酔いしれた。

 そんなしっとりとした一面も見せつつも、メールマガジンで募集した質問に回答するコーナーでは、ひとりが何かをしゃべると、すかさず他のメンバーがツッコミを入れ、笑いの渦を巻き起こす。また、カメラマンのアキラ氏がステージに呼び込まれ、メンバーの素顔を暴露。なんだかんだ言いつつも「そんなREAL REACHが大好きです!」と宣言し、会場を和ませてくれた。

 後半戦は『Risky』を起爆剤とし、もうひとつの新曲『It’s New WORLD』も披露。客席は再び加速していく。政雄がメイン・ボーカルとなって暴れ回るラウドな『四面楚歌』では、オーディエンスも熱狂し、数えきれないほどの拳があがる。政雄はそんな観客の笑顔を「映ったれー!」とハンディ・カメラでしっかりと捉えていた。

 「生きている中で恋愛ってすげぇなって思います。好きになればその人のために、なんて思ってしまうし……。好きな人や恋人がいる人は今が当たり前と思わないように」と、Yo-sukeが熱いメッセージを告げ、演奏されたのは『虹色橋』。また、『Dear』では「天国のオカンへ届くように」と、ひときわ力強い歌声を響かせた。元気な曲も聴かせる曲も存分に表現できるのは、彼らの魅力のひとつ。じんわりと心あたたまる一幕に大きな拍手が沸き起こった。『Survive』からはラストスパートを一気にかける。オーディエンスが一斉にジャンプした『Never Ending Story』、2回目となる『Risky』をたたみかけ、フロアをぐちゃぐちゃにしてステージを去っていった。

 アンコール1では、バンド感あふれるグルーヴが感じられた『手を』と、Yo-sukeが「おまえらに出会えて本当によかったです」と感謝の言葉を述べた『FAMILIAR』が披露された。一丸となって音の塊をぶつけていくメンバーと、共鳴するオーディエンス。それはアンコール2でも顕著に表れており、カラフルな照明の中演奏された『Stamping Ground』は、包み込むようなやさしさが感じられた。「がんばって生きていこうぜ!」というYo-sukeの言葉に“一人なんかじゃない”と背中を押されるような感覚すら覚える。オーディエンスにもそれぞれ心に響く音と言葉があったのだろう。真剣なまなざしをステージに向けて聴き入る様子が印象的であった。そしてラストは『Take A GLORY!!』。演奏中に政雄が叫んだ「今日はサイコーだー!」という言葉に、そのすべてが集約されているように思えた。

 こうして、彼らのスペシャルな一夜は幕を閉じたのであった……と思いきや、なんと再びアンコールの声がかかる。その声はいつまでも鳴りやまず、むしろどんどん大きくなっていく。すると、メンバーが「一発元気振りしぼれ!」とまさかの登場。そして「『Risky』を3回やります」と宣言するではないか。沸き上がるオーディエンスに「もう呼ばんとってや~」と言う政雄だったが、こぼれる笑みをおさえ切れないようであった。もちろん観客は微塵の疲れも見せず、ライブ序盤と変わらない盛り上がりを見せる。その光景は、目に見えない“絆”が形となって表れているようであった。

 ライブ中のMCで「O-WESTは挑戦だった。でもこんだけの景色を見れるんだったら7年かかってもええもんや。次のステージに連れていくわ!」と宣言した彼ら。また、4月に“飛行機曇”の意味をもつフル・アルバム『CONTRAIL』を発売することも発表。有言実行のこの4人なら、きっとすばらしい景色を見せてくれるだろう。たくさんのファンを乗せて大空へ飛び立つ日はそう遠くはないはずだ。(文責・高橋葵)